酒は百薬の長(5月22日)

2020/05/22 10:29

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 喜多方市の蔵元自慢の酒を、辛党の老若男女がにぎやかに酌み交わす。「地酒を楽しむ会」は二〇〇四(平成十六)年から市内で開かれている。暑かろうが、寒かろうが、日本酒以外のアルコール類は一切、口にしないのがルールだ。

 酒の仕込みで使う「やわらぎの水」と、会津の郷土料理だけが添えられる。隔月の例会は今年で十六年目に入った。季節によっては、ご当地限定品や搾りたての新酒が真っ先に味わえると人気を呼び、八月には節目の百回を迎えるはずだった。新型コロナウイルスが水を差し、二月を最後に中止が続く。

 二年前に会長を退いた遠藤光衛さんが今月、九十四歳で亡くなった。発起人の一人だった。気象庁職員として主に日本海側の酒どころを歩いた。定年退職後は実家に戻り第二の人生を謳歌[おうか]する。夫婦で庭造りや家庭菜園に汗を流し、仲間とスキーを楽しんだ。

 「わが人生に悔いなし」。晩年の口癖だった。八十歳を過ぎてからの晩酌は、毎日一合と決めたという。世間では外出を控えて家飲みが増え、軽く一杯のつもりが「飲み過ぎた」と反省することも。適量を楽しくたしなめば、酒は百薬の長になる。遠藤さんが教えてくれた。