【新型コロナ テレワーク】継続し可能性広げよ(5月22日)

2020/05/22 10:31

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 新型コロナウイルス感染拡大防止策として、在宅勤務を含むテレワークを導入する企業が増えた。時間や場所を有効に活用し柔軟に働ける良さがあり、人材確保にもつながる。感染終息までの一時的な措置とせず、継続すべきだ。

 厚生労働省のテレワーク総合ポータルサイトによると、テレワークとは、Tel(離れて)とWork(仕事)を組み合わせた造語で、職場から離れた場所でICT(情報通信技術)を使って仕事をすることを指す。在宅勤務のほか、移動中や出先で働くモバイル勤務、サテライトオフィス勤務がある。

 二〇一八(平成三十)年の総務省の「通信利用動向調査」では、導入率は二〇一一年以降で最多の19・1%だった。増加傾向にあるが、米国の85・0%、英国の38・2%と比べるとまだまだ低い。

 共同通信社が主要百十一社を対象にした調査によると、新型コロナウイルス対策でテレワークを新たに導入したり適用を拡大したりした企業の合計は79%に上った。人との接触機会を減らし、非常時の事業継続へ有効な手段となっていることがうかがえる。

 また、在宅勤務は育児や介護・看護との両立がしやすい利点がある。家族の介護・看護のため、全国で年間おおむね十万人が離職している。両立を可能とし離職を防ぐことは、企業にとって人材の確保につながる。身体障害者や高齢者ら通勤弱者の就労機会拡大も期待できる。

 人口減少社会において、企業や事業所が十分な従業員数を維持するのは難しくなる。帝国データバンクの調査では、従業員不足による収益悪化が要因となった「人手不足倒産」は年々増加している。多様な働き方を受け入れることで、人員減少に歯止めがかかる。生産性や収益の向上にも欠かせないだろう。

 導入を後押しするには、通信環境や機器の整備、就業規則作成などへの支援が必要だ。厚労省は二十九日まで、新型コロナウイルス感染症対策としてテレワークを新たに導入した中小企業事業主を対象に助成金の申請を受け付けている。補助率は経費の二分の一で、一企業当たりの上限は百万円となっている。事業主だけでなく、個人のインターネット環境整備への助成も求めたい。

 働く側も、普段からペーパーレス化などテレワークでも業務がこなせるよう心掛けたい。通信技術を身に付けることは非常時の備えになる。個人にとっても職業選択の幅を広げ、自身の生活を守る術となる。(三神尚子)