大熊の下野上地区 コメ試験栽培開始 営農再開向けで初

2020/05/23 08:02

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帰還困難区域の大熊町下野上地区の水田で田植えをする町民
帰還困難区域の大熊町下野上地区の水田で田植えをする町民

 大熊町農業委員会と町は二十二日、帰還困難区域の特定復興再生拠点区域にある下野上地区でコメの試験栽培を始めた。帰還困難区域で営農再開を目指した田植えは初めて。


 帰還困難区域の水田は下野上字清水の九アール。今年三月に立ち入り規制が緩和された地域にあり、許可証なしで入れる。町民らが田植え機でコシヒカリの苗を植えた。試験栽培では収穫後に除染の効果を確認し、コメを原則廃棄する。全量全袋検査で放射性セシウム濃度が国の基準値(一キロ当たり一〇〇ベクレル)以下なら試食できる。

 拠点全域の解除を目指す二〇二二(令和四)年にも、基準値以下なら出荷・販売のできる実証栽培への切り替えを目指す。根本友子会長は「担い手の意欲の問題もある。できるだけ早く営農再開できるように努めたい」と語った。


■原発事故後初 酒米を田植え 2021年度の商品化目指す 大川原地区

 また、実証栽培できる大川原地区では同日、原発事故後初めて酒米の田植えを行った。避難で縁のある会津若松市の酒蔵で日本酒を醸造する。二〇二一年度にも商品化し、町の特産品にする。

 大川原地区では四十三アールの水田に町職員らが酒米「五百万石」の苗を植えた。原発事故後は休耕田だったため収量は見通せず、二〇二〇年度は贈答やPR用に試作品を造る方針。会津若松市の複数の酒蔵と協議し、どこで醸造するかを検討している。

 大川原地区の別の実証田十六アールではコシヒカリとコガネモチの苗を植えた。ここでは一昨年から実証栽培しており、毎年基準値を下回っている。三年分の放射性物質検査結果などをもとに町民の営農再開に向けたマニュアルを作る。