処理水市町村議会アンケート 水産業など影響懸念 国民理解の重要性も主張

2020/06/25 08:20

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 東京電力福島第一原発で増え続ける放射性物質トリチウムを含んだ処理水を巡り、県内十七市町村が可決した意見書や決議では、海洋放出などで処分されれば県内の農林水産業に深刻な影響を与え、新たな風評が生じる懸念があるなどと指摘した。

 県内の市町村議会が可決した意見書や決議の主な内容は【表】の通り。浪江町議会が処理水について県内で初めて可決した決議では、海洋放出に反対する理由として「地域住民の感情を無視したものであり、被災者にさらなる苦痛を強いる」と強調した。六月に可決した意見書で「海洋放出への安全性に関し国の説明を理解している人は少ない」とし、風評対策の強化を求めた。

 新地町など沿岸部を中心とした議会の意見書では、海洋放出は本格的な操業再開に向けた「漁業者らに大きな打撃を与える」とし、水産業などへの影響に懸念を示した。その上で、政府による適切な風評対策を要請している。

 いわき市議会などは処理水に関する政府の情報発信が不足しているとして、国民の理解と合意を広げる重要性を主張している。

 政府は浜通りや福島第一原発事故の避難区域が設定された計十五市町村の議会への処理水に関する説明を一巡した。県内の他の市町村議会でも要望があれば説明会を開く方針。

 県内では処理水の処分が福島県のみで行われたり、福島県から始まったりすれば風評がさらに強まりかねないとの懸念が強い。