美しい山や湖次代に 磐梯朝日国立公園指定70周年 式典、シンポ

2020/09/06 09:52

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合唱する普天間さん(壇上中央)と裏磐梯小児童たち
合唱する普天間さん(壇上中央)と裏磐梯小児童たち
磐梯朝日国立公園の保全と活用について意見を交わしたシンポジウム
磐梯朝日国立公園の保全と活用について意見を交わしたシンポジウム
記念式典後に記者会見する小泉環境相
記念式典後に記者会見する小泉環境相

 五日に北塩原村の裏磐梯レイクリゾートで行われた磐梯朝日国立公園指定七十周年記念の式典とシンポジウムでは、関係者が美しい山や湖を後世に引き継ぐため、官民一丸の協力体制を整え、活動をさらに発展させることを誓い合った。


 シンポジウムでは、安達太良山観光大使を務めるタレントなすびさん(福島市出身)が基調講演した。元環境省東北地方環境事務所長の小沢晴司さん(宮城大教授・福島大客員教授)がコーディネーターを務め、なすびさんら六人が意見を交わした。

 式典で普天間かおりさんと合唱した裏磐梯小六年の六角日和(ひより)さん(12)は「自然を未来に残せるよう思いを込めて歌った」と話した。

 式典では、森雅子法相(参院福島県選挙区)、菅家一郎復興副大臣(衆院福島県4区)、若松謙維参院議員(比例代表、郡山市在住)らが祝辞を述べ、開催地の小椋敏一北塩原村長が歓迎した。長尾トモ子県議会副議長や、関係市町村の首長、議会議長らが出席した。福島民報社から馬場憲明常務が出席した。


■よりよい姿残す取り組みを/保全の理由学ぶプロセス必要 シンポ要旨

 香月英伸さん(東北森林管理局計画保全部長、前福島森林管理署長) 国指定から七十年がたつ。指定当時に強かった木々の伐採傾向は、現在なくなった。しかし、草木は伸び放題になり、景観の悪化が目立つ。よりよい姿を残す取り組みが求められている。

 佐藤弥右衛門さん(大和川酒造九代目当主) 山からの水が沢や田畑に流れ、村ができ文化を生んだ。われわれは山に生かされてきたといえる。利益や合理性だけではいけない。五十年後、百年後に、この貴重な自然をきちんと渡せるかが、今問われている。

 鵜野レイナさん(慶大先端生命化学研究所研究員、マタギ) 次の世代にどうつなげるかを考えている。自分の子どもたちが、実家のじいやと自然の中で遊んでいるが、大人になったらその自然を守るような、そんな体験をしてほしいし、させてあげたい。

 川端郁子さん(飯豊連峰保全連絡会と朝日連峰保全協議会のアドバイザー) 素晴らしい山々を多くの人に見てほしい。そのために良い環境をキープしなければならない。いかに守りつつ、利用するか。継続できる仕組みをみんなで考え、取り組んでいきたい。

 斉藤清一さん(NPO法人日本ジオパークネットワーク事務局長) 保全活動は「なぜ」がないと続けられない。理由をしっかり学ぶプロセスなどが絶対必要だ。実際に活動する地元でも利害関係があるだけに、しっかり理解し合う対話と努力が不可欠だ。

 なすびさん 山は登り楽しむとともに、守っていかないといけない。地球は先祖から受け継ぐものでなく、子孫から借りているというインディアンの言葉のように、未来に大切に残し、つなげなければならない。今を生きる一人一人が考え行動する必要がある。


■知事にCOP26出席打診 小泉環境相「福島プログラム」用意

 小泉進次郎環境相は五日、内堀雅雄知事に対し、来年の十一月に英国で開かれる国連気候変動枠組み条約第二十六回締約国会議(COP26)への出席を打診した。同日、北塩原村で行われた磐梯朝日国立公園指定七十周年記念式典後の記者会見で明らかにした。

 小泉環境相は、東日本大震災と東京電力福島第一原発事故からの復興や、再生可能エネルギー導入に積極的に取り組む福島県を発信する好機とし、内堀知事に出席を提案した。小泉環境相によると、内堀知事は「発信できる機会があったら大変ありがたい」と答えたという。その上で、「(会議に向けた)『福島プログラム』を用意するよう指示したい」と述べた。

 小泉環境相は、二〇五〇年までに二酸化炭素実質排出量ゼロを目指す環境省の「二〇五〇ゼロカーボン宣言」に賛同している大熊、浪江両町の町長に対しても会議への出席を打診している。


■環境省アンバサダー なすびさん任命へ

 小泉進次郎環境相は記念式典のあいさつで、福島市出身のタレントなすびさんを環境省の「アンバサダー」に任命する考えを明らかにした。

 小泉環境相は、なすびさんが東京電力福島第一原発事故に伴う除染について、ラジオ番組で紹介していることや、相馬市から青森県八戸市を結ぶ自然歩道「みちのく潮風トレイル」を踏破したことに感謝した。その上で、「アンバサダーとして新たな役割を担っていただく」と述べた。