いじめ不登校「重大」認めず 福島市教委、第三者委設置せず

2020/09/19 10:10

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 福島市の市立小学校でいじめを受けて不登校となり、適応障害と診断された男子生徒(12)=中学一年=について、市教委がいじめ防止対策推進法で定める「重大事態」と認めず、家族が求めた第三者委員会の設置に応じていないことが十八日、家族側の代理人弁護士らへの取材で分かった。

 男子生徒の父親によると、生徒は小学五年だった二〇一八(平成三十)年春から同級生に集団で無視されたり、「死ね」などの暴言を受けたりして休みがちとなった。今年二月以降は登校できず、今春入学した中学校でも不登校が続く。これまで複数回、手首を切り自殺を図ったという。

 両親が今年二月に被害を訴えたのを受け、市教委と学校は内部調査を開始。三月末に悪口や無視などのいじめを認めて「学校の対応は不十分」とする調査結果をまとめた。

 一方、両親は調査の手法や結論に納得できないとし、八月に第三者委の設置を市教委に要請した。しかし、市教委は回答書で「適応障害の原因がいじめという主張も推測でしかない」などとして応じなかった。

 いじめ防止対策推進法では、いじめにより(1)児童の心身に重大な被害が生じた疑いがある(2)相当期間の欠席を余儀なくされている疑いがある-と認める場合を重大事態と定義。文部科学省のガイドラインは自殺未遂や不登校を重大事態として例示し、本人や保護者の申し立てがあれば学校の認識にかかわらず重大事態と扱い、第三者を交えて調査するよう求めている。

 これに対し、市教委は市いじめ防止等に関する条例を根拠に、申し立てを受けても市教委が必要ないと判断すれば、第三者委の調査はしないとの立場だ。横山貴英学校教育課長は「顧問弁護士に相談した上で法に沿って事実を確認した結果、重大事態とは認められない」と説明している。

 家族側の代理人は「市教委の一存で重大事態かが決まるなら法の意味がない」、父親は「真相を明らかにしてほしい」と訴えている。