第一原発処理水、下旬にも処分方針決定 政府、海洋放出が軸

2020/10/15 07:44

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 政府は今月下旬にも、東京電力福島第一原発で増え続ける放射性物質トリチウムを含んだ処理水の処分方針を決定する方向で調整に入った。処分方法は有力視されていた海洋放出を軸に検討が進んでいる。政府による方針決定を巡っては、放出場所が焦点となる。

 関係者によると、政府は今後、廃炉・汚染水対策の関係省庁の副大臣らによる会合を開き、関係者を対象に開いた意見聴取会や意見公募の内容を確認する。会合の結果を受け、今月下旬にも開く廃炉・汚染水対策関係閣僚等会議で海洋放出による処理水の処分を決定する見通しだ。

 政府は八日の意見聴取会で主要な関係者への意見の聞き取りが終わったとして、最終調整を進めている。

 処理水を巡り、東電は原発敷地内で保管するタンクが二〇二二(令和四)年夏ごろに満杯になると試算している。放出準備には約二年かかるとしており、今夏から秋にかけての政府の判断が注目されていた。菅義偉首相は「できるだけ早く政府として責任を持って処分方針を決めたい」とし、自らの政権での処分方針を決める意向を強調している。

 一方、処理水の処分に関し、意見聴取会の出席者などからは風評対策の徹底を求める声が上がっている。政府は対策を検討するとしているが、実効性のある対応が打ち出されるかどうかは不透明だ。

 県内では今年、これまでに四十四市町村議会が処分方針に関する決議や意見書を可決している。このうち、浪江町は海洋放出への反対を決議。いわき市や会津若松市などは関係者からの丁寧な意見聴取や風評対策を求める意見書を可決した。東電福島第一原発が立地する双葉町や大熊町などは早期の処分方針決定を求めている。

 県内では処理水の処分が福島県のみで行われたり、福島県から始まったりすれば風評がさらに強まりかねないとの懸念が強い。