処理水の対応焦点 内堀知事2期目折り返し 省庁などで要望 正確な情報発信を

2020/11/12 08:23

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 内堀雅雄知事は十二日、二期目の任期の折り返しを迎える。東京電力福島第一原発で増え続ける放射性物質トリチウムを含んだ処理水への県の対応が焦点となっている。十一日は国の省庁などへの要望活動に当たり、処理水について「正確な情報発信と具体的な風評対策」を求めたが、処分への賛否に関する県の姿勢はこれまで同様示さなかった。初当選から六年間、市町村をきめ細かく回るなど現場主義を徹底しているが、市町村の関係者からは処理水の処分方法を含めた重要課題に対し「県の姿勢が不明確」との指摘もある。

 内堀知事は十一日、東京都内で各省庁や政党を回り、来年度の国の当初予算編成に向けて福島県の実情を訴えた。政府が今後、処分方針を決定する処理水については要望書を通じ、県民や国民の理解を深めるための「トリチウムや処理水に関する正確な情報発信」と「具体的な風評対策の明示」を求めた。復興庁で報道陣の取材に応じた内堀知事は、処理水の処分方針について「県内外からのさまざまな意見を踏まえ、政府の責任で慎重に検討を進めてほしいと考えている」と従来の姿勢を崩さなかった。

 処理水を巡り、菅義偉首相は「(福島第一原発の)敷地が逼迫(ひっぱく)する中で、いつまでも方針を決めず先送りすることはできない」と強調。梶山弘志経済産業相は「福島県外に持ち出すことは現実的な選択肢になるとは考えていない」と原発敷地外に処理水を持ち出すことに否定的な考えを示している。こうした状況の中、県は依然として処分に対する賛否などを明らかにしていないのが現状だ。

 帰還困難区域の特定復興再生拠点区域(復興拠点)外の扱いに関しては、十一日の要望で国に対し、除染を含む避難指示解除のための具体的な方針を早急に示すよう求めた。ただ、県の考え方は示していない。

 帰還困難区域の復興拠点外は原発事故から十年目となった今も手付かずだ。除染や避難指示解除の見通しが示されない中、飯舘村は拠点内外の避難指示を一括解除する方針案を示した。双葉町は帰還困難区域全域を復興拠点とするよう国に求め、協議に入った。町村の間で解除に向けた考え方が分かれてきた。

 内堀知事は解除に関する考え方が地域によって異なる点を踏まえ、各町村の意見を尊重し、丁寧に議論を重ねるよう国に求めている。ただ、国に一任する姿勢に県内から「県の方針が見えない」との声も出ている。県としていかに町村の実態に合わせて国と調整できるか、内堀知事の手腕も問われている。