いわきで震災・原発文学フォーラム 言葉紡ぐ意義とは 直木賞作家ら思い語る

2021/04/04 08:47

  • Facebookで共有
  • Twitterで共有
震災や原発事故をテーマにした著書などについて語る(左から)ドリアンさん、桐野さん、吉田さん
震災や原発事故をテーマにした著書などについて語る(左から)ドリアンさん、桐野さん、吉田さん

 東日本大震災と東京電力福島第一原発事故を伝えてきた文学について考える「福島浜通りの震災・原発文学フォーラム」は三日、いわき市のアリオスで開かれた。直木賞作家の桐野夏生さんらが、未曽有の災害をテーマに言葉を紡ぐ意義や葛藤について語った。

 実行委の主催、福島民報社の協賛。作家のドリアン助川さん、ノンフィクションライターの吉田千亜さんらも出演した。

 桐野さんは原発事故後の近未来を描いた小説「バラカ」を二〇一一(平成二十三)年から文芸誌で連載し単行本化した。「現代の作家として感じた混乱や恐怖を表現する必要性を感じた」とした。

 ドリアンさんは線量計を手に東北地方などを巡った旅を書籍「線量計と奥の細道」にまとめた。書くことで風評を助長するのではないかと迷いがあったとしつつ「それでも被災地の状況を伝えなければならないと思い決めた」と力を込めた。

 被災者の救助に当たった消防士を取材し、書籍「孤塁」を発刊した吉田さんは「壮絶な体験をした人の感情に物事の真実があるという一心で筆を執ってきた」と話した。芥川賞作家の玄侑宗久さん(三春町)も事前収録のビデオで出演し、著作「竹林精舎」などに込めた思いを述べた。

 県文学賞審査委員らが詩、俳句、短歌の表現活動について意見を交わす座談会や、県内の教育者による震災・原発文学と教育現場の関わりについての議論なども繰り広げた。