効き目のメカニズム解明 大腸がん「免疫療法」 福島医大医学部消化管外科学講座

2021/06/10 10:05

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 福島医大医学部消化管外科学講座の研究グループは、大腸がんの治療法の一つ「免疫療法」の効き目の大小を左右するメカニズムを突き止めた。大腸がんの免疫療法は患者全体の5%程度にしか十分な効果が見込めないとされるが、今回の発見を応用すれば、現状より多くの割合の患者に効くようになる可能性があるという。

 免疫療法は免疫の力を利用した治療方法。研究グループによると、手術や抗がん剤、放射線など他の方法と比べて副反応のリスクが低い一方、患者によって効き目の差が大きい特徴がある。

 研究グループは、免疫療法が効きやすい患者のうち、特に効きやすいグループと比較的効きにくいグループの特徴を比較した。その結果、「miRNA(エムアイ アールエヌエー)」と呼ばれる、がん細胞が増える際の設計図となる遺伝子の配列などに違いがみられた。「miRNA」の働きを抑えることで、免疫療法を効きやすくできる可能性があるという。


■米国がん学会論文を表彰

 米国がん学会は二〇一九~二〇二〇年に発行した専門誌に数多く引用された四十の論文を表彰し、その中に今回の論文が日本人グループで唯一入った。

 研究は同講座の芦沢舞助教、岡山洋和講師、河野浩二主任教授らが関わった。芦沢さんらは「大変栄誉ある表彰をいただけた。がん治療に還元されることを願っている」と話している。