【球児の夏】それぞれの夢に挑め(7月26日)

2021/07/26 09:07

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 全国高校野球選手権大会が開催される「甲子園」への切符は日大東北が手にした。十八年ぶり八度目の出場を決めた選手たちには、これまでの練習の成果を十分に発揮し、晴れの舞台で大いに躍動することを期待する。そして、来夏を目指して始動している他校の球児たちも、それぞれの夢に向かって一日一日を大切に過ごしてもらいたい。

 二十五日に決勝を行い閉会した福島大会。戦後最多、夏の甲子園連続十三回出場という大記録を持つ王者・聖光学院が準々決勝で敗れ、同じく優勝候補だった第一シード東日大昌平、第三シード学法石川も決勝に駒を進めることはできなかった。一方で素晴らしいプレーで見事に準優勝した光南、ノーシードからベスト4入りした福島成蹊、快進撃を見せた相馬などの活躍が光った。選手たちによる筋書きのないドラマは、県内の多くの野球ファンを魅了したことだろう。

 決勝をサヨナラ勝ちという劇的な勝利で飾った日大東北の選手には移動や宿泊での感染対策を徹底し、甲子園で思う存分に野球を楽しんでもらいたい。彼らの輝く笑顔はテレビの前で応援する多くの県民にきっと勇気と元気を届けてくれるはずだ。

 コロナ禍の中、感染対策を講じながら開かれた大会では、選手、指導者をはじめ、学校、大会関係者らの苦労は相当なものであったに違いない。感染の拡大が依然として続く中、それぞれの場でこうした経験を生かしてほしい。

 全国ではコロナ禍に翻弄[ほんろう]された選手は少なくない。選抜高校野球大会で優勝し、春夏連覇を目指していた東海大相模は多数の登録メンバーが感染、神奈川大会途中の出場辞退となった。選手、関係者の心境を思うと胸が痛む。学校関係者が感染した米子松陰(鳥取)は熟慮の末にいったん出場を辞退したものの、大会関係者の判断で再び出場が認められた。「グラウンドで引退できて感謝している」。甲子園出場は果たせなかったが、選手たちにとって素晴らしい思い出になったのではないか。

 いわき市では二十六日まで県児童野球選手権大会が開かれている。各地区予選を勝ち抜いた三十九チームの選手たちが熱戦を展開している。二十八日には福島市で東京五輪の野球競技で日本代表の開幕戦が行われる。プロの選手はもちろん、高校球児たちは野球少年少女の憧れであり、目標でもある。スポーツに限らず、多くの子どもたちが夢に挑める環境をつくっていくことが大切だ。(真田 裕久)