旧母屋を民話語りの活動拠点に 福島県新地町の小野俊雄さんが改築

2021/08/23 17:49

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こけら落としの独演会開催にあたり、あいさつする小野さん(奥)
こけら落としの独演会開催にあたり、あいさつする小野さん(奥)

 福島県新地町小川の小野俊雄さん(70)は、自宅敷地内にある旧母屋を、民話語りの活動拠点に改築した。旧母屋は町内で活動する「新地語ってみっ会」の練習場として開放。さらに「町内外の語り部たちが交流できる場にしたい」と願っている。

 小野さんは県職員を退職後、現在は町郷土史研究会長として町内の文化活動振興に尽力している。一方、語ってみっ会は長年、町沿岸部にあった明治時代の学校で県史跡の「観海堂」を拠点にしていたが、同施設は東日本大震災の津波で流失。以降は町農村環境改善センターなどで活動を続けてきた。

 小野さんは、親類にあたる同会の語り部小野トメヨさん(97)から現状を聞き「民話伝承者と地域の人々が気軽にふれあえる場をつくりりたい」と、改築に取り組んだ。

 2月初めに着工し、同月中旬には最大震度6強の本県沖地震に見舞われた。幸い建物に被害はなく5月中旬ごろ完了した。平屋建て約33坪の建物内は広々とした和室で、語り部のための舞台や照明、古民家の雰囲気に近づけようと小さな囲炉裏(いろり)なども設けた。

 22日、こけら落としとしてトメヨさんらによる民話語りの独演会が開かれた。新型コロナウイルス感染症対策に配慮しつつ、会員や地域住民ら20人ほどが「あんこ地蔵様」などの昔語りに聞き入った。

 小野さんは「先人の教訓が込められた古里の昔話を次世代へつなぐ場所にしたい。高齢者の生きがいづくりにもつながれば」と笑顔を見せる。語ってみっ会は宮城県丸森町、山元町の民話サークルとも交流が盛んで「コロナ禍収束後は、広域的な活動の拠点としても活用してほしい」と話している。