福島県産木材を耐火建材に 南会津の企業などが特殊塗装開発

2021/09/14 09:27

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新たに開発した耐火木製建築材を持つ(左から)渡辺、芳賀沼、石子、溝口の各氏
新たに開発した耐火木製建築材を持つ(左から)渡辺、芳賀沼、石子、溝口の各氏

 福島県南会津町の住宅資材製造業・合同会社良品店と製材業・芳賀沼製作は、建材用塗料の国内大手・日進産業(本社・東京都)と共同で、特殊な塗料を使用して木製建材の耐火性を高める新技術を開発した。既に複数の特許を出願した。中高層建築物での使用を想定しており、福島県産木材を活用して来年度の製品化を目指す。火災に強い福島発の新技術で建物の安全性を高め、県内の林業活性化などにつなげる。

 セラミックスなどを配合した特殊な塗料を建材に塗る。塗料の被覆層が炎の熱を遠赤外線に変換するのが従来の耐火塗料にない特徴となる。熱が伝わるのを遅らせることにより、木材が発火点に至るまでの温度上昇を大幅に抑制する。

 木造の大規模建築は木製建材に耐火性のある石こうボードを貼り付ける工法が主に使われている。今回の新技術は透明な塗料を木材に薄く塗るだけで済むため、木目を生かしたぬくもりが感じられる大型建築が可能となる。スギやヒノキなどの一般的な建築用木材を活用でき、コストも抑えられる。石こうボードを使用しない分、軽量となるため運搬費用などの削減にもつながる。

 実用化に向け、1000度以上の状況下で燃焼試験を繰り返している。塗装を施していない木材に比べ、倍以上の耐火効果が出ているという。今後、国の耐火試験を受け、承認を受けた後に商品化する。

 福島イノベーション・コースト構想推進機構が開発場所の提供や広報を支援しており、既に大手企業などから引き合いがあるという。

 良品店は耐火性と平行し、高層建築に耐えうる木製建材の強度に関する研究も進めている。来年度中の国の認可を目指しており、将来的には高さ10階程度の集合住宅や大型施設用の建材として販売する方針だ。

 現在、外国産の木材不足などで価格が高騰する「ウッドショック」が続き、県産木材の需要は高まっているが、需要と価格が下がり始めていると見る専門家もいる。県林業振興課の担当者は「県産木材の長期的な需要が見込めるような新技術は県の林業活性化につながる」と期待する。

 合同会社良品店の渡辺洋一代表社員(35)、芳賀沼製作の芳賀沼克彦専務(34)、日進産業の石子達次郎社長(67)、溝口国際特許事務所の溝口督生弁理士(52)は13日、福島市で記者会見し、木製耐火建築材について説明した。