【県行財政改革プラン】意識改革につなげたい(9月23日)

2021/09/23 08:52

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 県が二〇二二(令和四)年度から四年間にわたる「県行財政改革プラン(仮称)」の策定作業を本格化させている。東日本大震災と東京電力福島第一原発事故からの第二期復興・創生期間と重なり、新型コロナウイルスの感染対策やデジタル変革(DX)などの新たな課題も生じている。柔軟な行政対応と職員の意識改革につながる計画にしてほしい。

 これまでは「復興・創生に向けた行財政運営方針」の名称だったが、「行財政改革プラン」に変更する。ただ、基本目標の第一には「東日本大震災・原子力災害からの復興・再生」を置いた。被災地の復興は道半ばだ。引き続き財源と人材の確保、県と市町村の連携強化は欠かせない。浜通りの産業の伸展や雇用の拡大には、県の全庁横断的な取り組みが求められる。

 国の復興への予算確保はこれまでのようにはいかないのが実情だ。基本目標のトップに復興・再生を残したのは、より一層の効果的な財源配分をしなければならないとのメッセージと受け止めたい。

 基本目標は復興・再生のほかに、「多様な主体、市町村等との連携・協働」「効果的・効率的で持続可能な行財政システムの確立」を掲げた。新型コロナ対策や大規模災害への対応、DXなどの視点を意識した目標設定だろう。社会が目まぐるしく変化する中で、職員の力をいかに引き出せるかが鍵となる。

 中でも、DXについては、新型コロナの感染拡大で一気に必要性が高まった。目的を明確にして対処しないと、ただ単に紙がデジタルデータに置き換わっただけといった結果になりかねない。DX先進地の茨城県は知事名文書に電子署名を導入した。文書改ざんがないことを証明する「タイムスタンプ」を組み合わせたシステムを構築し、実現した。県民向けの文書は到着までの時間短縮につながり、県職員はテレワークでも公印付文書の発送が可能になったという。本県も先進県を参考にしながら新たな行政スタイルを目指す必要がある。

 さらに、DXによって得られる効率化に目を向けるばかりでなく、政策立案の幅を広げる仕掛けづくりにも役立てるべきだ。DXの特徴の一つは、組織の垣根や地域間の物理的な距離を越えて、容易に情報交換できることだ。この特性を活用して、若い職員の発想を吸い上げ、議論し、反映させるような仕組みを、ぜひ取り入れてほしい。県庁全体の活性化に加え、持続可能な組織運営に寄与するのではないか。(安斎 康史)