グリーン水素の共同利活用を宣言へ 福島県浪江町と米ランカスター市 10月1日に調印

2021/09/25 09:40

  • Facebookで共有
  • Twitterで共有

 福島県浪江町と米国カリフォルニア州ランカスター市は10月1日、再生可能エネルギー由来の「グリーン水素」の利活用を共同で進める「水素社会の実現に向けた自治体パートナーシップ宣言」に調印する。グリーン水素の利活用を掲げた自治体間の調印は、世界初とみられる。先進的な研究や実証事業を進めている日米の自治体が主導して水素の製造、貯蔵、配送、公共施設や地域での使用を促進し、次世代エネルギーの社会実装を目指す。

 ランカスター市は米国の自治体で初めて、再生可能エネルギーの発電量が市内の全消費電力を上回った。昨年11月に「水素宣言都市」を表明した。

 一方、浪江町では、太陽光発電で稼働する世界最大級の水素製造実証拠点「福島水素エネルギー研究フィールド(FH2R)」が昨年3月に開所した。町は「なみえ水素タウン構想」を掲げ、FH2Rを拠点に国内の企業・団体とさまざまな分野で実証事業を展開している。

 浪江町の取り組みを知ったランカスター市のレックス・パリス市長が2020(令和2)年、在ロサンゼルス日本総領事館を通して連携を提案。吉田数博町長とパリス市長が今年7月、オンラインで覚書に署名した。東日本大震災と東京電力福島第一原発事故からの復興を進める町にとって、米国都市との提携は水素社会実現に向けた先駆けの地として国際社会に発信していくことにつながる。

 両市町の担当者は毎月、オンラインで会議を開き、情報を共有している。先進的な知見や取り組みを互いの施策に反映させ、次世代のまちづくりに結び付けていく。

 調印式は10月1日、浪江町の福島いこいの村なみえとランカスター市をオンラインで結んで行われる。

 FH2Rの実証事業の実施主体である国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の大平英二燃料電池・水素室長は両市町の調印を歓迎する。温室効果ガス排出量を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」を世界的に目指す中で「自治体が主体的にそれぞれの資源を使って、まちづくりのモデルを構築していく必要がある」と強調。「自治体が連携して情報や知識を相互活用すれば効果的に進む」と期待した。