福島県が妊産婦の在宅受診体制を充実 千葉の問題を受け、県全域で

2021/09/25 09:41

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 新型コロナウイルスに感染した千葉県柏市の妊婦が自宅療養中に早産し、赤ちゃんが死亡した問題を受け、福島県はコロナ感染で自宅療養せざるを得ない妊産婦の受診体制の充実に乗り出す。医療機関での外来診療や、かかりつけの産科医による電話診療を受けられる仕組みを県全域で整え、妊産婦の安心につなげる。

 自宅療養時に産科面の症状が悪化した際に備え、コロナ患者の入院を受け入れている医療機関に専用の診療外来を設ける。比較的症状が軽い場合には、地域のかかりつけの開業医やクリニックによる電話診療を受けられやすいようにする。いずれも宿泊施設で療養する妊産婦も受診できる。

 県は新型コロナ患者を原則的に入院治療する方針を維持している。ただ、感染者の急増によって妊産婦の入院を受け入れる病床が逼迫(ひっぱく)した場合、自宅療養に振り向けざるを得ない可能性がある。幼い子どもがいるなどの事情で自宅療養するケースも少なくない。

 外来診療や電話診療の取り組みはこれまでも実施された事例があるが、一部の医療機関に限られていた。冬には流行の「第6波」の到来が懸念されており、県は受診体制を強化する必要があると判断した。県全域の妊産婦が速やかに受診できるよう、県産婦人科医会などの協力を得て各医療機関に対応を依頼する。県の担当者は「可能な限り早期に県全域に普及させたい」としている。

 千葉県柏市の問題では、女性は少なくとも9カ所の医療機関に受け入れられなかったとされる。入院先の調整が難航したとみられている。

 妊産婦のコロナ対策を巡る問題は、24日に開かれた県議会代表質問で自民党の矢吹貢一議員(いわき市)が取り上げ、県の対応をただした。質問に答えた伊藤剛保健福祉部長は「妊産婦がより安心して適切な医療を受けられるよう、医療提供体制の整備に継続して取り組む」と語った。