漫画家端野洋子さん(福島県白河市) 「マンガ 一晩でわかる中学数学」発刊 知識と自信付ける一助に

2021/10/05 16:36

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作品の1場面。数直線を使いマイナスの概念を解説しているⒸ端野洋子/講談社
作品の1場面。数直線を使いマイナスの概念を解説しているⒸ端野洋子/講談社
「マンガ 一晩でわかる中学数学」の表紙Ⓒ端野洋子/講談社
「マンガ 一晩でわかる中学数学」の表紙Ⓒ端野洋子/講談社

 消費税を計算したり、けんかにならないようお菓子を均等に分けたり…。多くの人は生活する上で算数や数学の知識、手法を無意識に使っている。福島県白河市の漫画家端野洋子さんの新刊「マンガ 一晩でわかる中学数学 実社会で役立つ数学力を身につける」(講談社ブルーバックス)は、暮らしを便利にする数学の理論を丁寧に伝えてくれる。

 中学3年になる女子生徒が男性家庭教師と数学を学んでいくストーリー。男性家庭教師は女子生徒が”推し”ている地下アイドルとの設定で、数学を苦手にしていた女子生徒が知識と自信を付けていく成長物語になっている。

 「数学の点数が上がらない人の特徴は、単純に練習量が足りていないとか、直しやすい弱点があるのがほとんど。数学を簡単に解説する漫画があった方がいいと思った」と端野さん。家庭教師として数学をはじめ多彩な教科を教えた経験があり、子どもを伸ばすため必要な要素を、かみ砕きながら描写した。

 例えばマイナスについて説明する際は「数直線」を使う。ゼロを中心にして右側がプラス、左側がマイナスとなる。「マイナスは反対向きに進めというサイン」と説明し、マイナスの数字とプラスの数字の足し算、マイナス同士の掛け算などの考え方を示した。他に連立方程式、割合・歩合・百分率、平方根、二次方程式など図形を除く中学数学を解説する。「宿題」と題した問題集を随時掲載し実践的に学べるようにした。

 物語が進むにつれ、女子生徒は次第に前を向くようになる。「分かる!」を積み重ね自信を深める大切さを伝えている。「他人から搾取する人は自信のない人を狙う。自己肯定感を高めていくのが人生でトラブルに遭いにくくなる第一歩。それで勉強もできるようになれば一石二鳥になる」と端野さん。

 小学6年と中学3年を対象にした2021(令和3)年度の全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)で、福島県の中学3年数学の平均正答率は55%と全国平均を2・2ポイント下回り、都道府県別順位は38位となった。端野さんは「数学に苦手意識を持つ人をまず減らさなくてはならない。漫画の部分を読むだけでも構わない。(苦手意識による)自己否定の感情が少しでもなくなればいい」とし、著書が勉学に悩みを抱える人の一助になればと願っている。

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 【はの・ようこ】西郷村出身、白河市在住。白河女子(現白河旭)高卒、帯広畜産大畜産学部卒。大学生だった1993年から2018年の間、漫画の連載がある時などを除き、断続的に家庭教師を続け、小学生から高校生に各教科を教えた。作品に「はじまりのはる」「アイアンスノー」など。「マンガ 一晩でわかる中学数学」は336ページ、1320円。