高品質アルファースズ薄膜を半導体基板上に作製 福島県いわき市の福島高専と東京大の共同研究チーム

2021/10/23 09:44

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情報処理の高速化などの研究成果を上げた千葉講師と小田准教授(右)
情報処理の高速化などの研究成果を上げた千葉講師と小田准教授(右)

 福島県いわき市の福島高専と東京大の共同研究チームは、情報処理の高速化と低消費電力化を可能とする高品質α-Sn(アルファースズ)薄膜を半導体基板上に作製することに成功した。ビッグデータや人工知能を活用した超スマート社会の実現に貢献できる可能性があるとしている。福島高専の研究者が22日、福島民報社の取材に明らかにした。

 アルファースズは電子の電荷とスピン(磁気)を同時に活用できるトポロジカル物質の一種で、電気抵抗を抑制する機能を有する。海外の研究者が先行してアルファースズを基板上で作製したが、研究チームは独自のアルファースズ高品質化技術によって既存の研究を格段に上回る成果を上げた。

 構造が単純なアルファースズは加工がしやすく、半導体材料との整合性に優れている。さらに無害で埋蔵量が多いため、さまざまなIT機器に使用できるという。

 研究チームには福島高専から千葉貴裕講師(32)小田(こた)洋平准教授(35)が参加し、アルファースズの電子分布についてシミュレーションした。研究チームは今後、トランジスタなどの電子部品を作り、情報処理能力などを評価する。

 研究成果は14日発行の米国科学雑誌に掲載された。千葉講師は「この分野は世界中がしのぎを削って研究しており、今回の成果は注目を集めるだろう」と話している。