東日本大震災・原発事故

震災遺構・請戸小の一般公開始まる 現地で開館記念式典 浪江町

2021/10/25 10:27

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津波の爪痕が残る請戸小1階を見て回る来場者
津波の爪痕が残る請戸小1階を見て回る来場者

 東日本大震災の県内初の震災遺構として福島県浪江町が整備してきた請戸小は24日開館し、一般公開が始まった。卒業生や当時の在校生、かつて請戸地区に住んでいた町民らが訪れ、10年前の記憶を呼び戻すとともに、震災と東京電力福島第一原発事故の教訓を後世に伝えていく決意を新たにした。開館記念式典が行われ、地域の伝統芸能「田植踊」が披露された。

 式典には約30人が出席し、吉田数博町長が「施設が地域のよりどころや災害への備えを確認する場になることを祈る」とあいさつした。請戸芸能保存会の会員が、震災後も大切に守り続けてきた舞を繰り広げた。

 内堀雅雄知事、横山信一復興副大臣、佐々木恵寿浪江町議会議長らが祝辞を述べた。

 2011(平成23)年3月11日、海岸から約300メートルに位置する請戸小は高さ約15メートルの津波に襲われ、1階部分が全て押し流され、2階の床にまで浸水した。児童82人と教職員13人は、西に約1キロの大平山に避難し、全員無事だった。ただ、請戸地区では、154人が津波の犠牲になった。

 校舎はできる限り、当時のままの状態で保存した。児童の避難状況を記録した絵本「請戸小学校物語」を視察ルートに沿って展示している。総事業費は約3億7500万円で、管理棟を新設した。

 東電福島第一原発から北に5キロに位置し、6年にわたり避難指示を受けた。再開しないまま今年4月に閉校した。