論説

【県立高単位制化】可能性を伸ばす一手に(11月2日)

2021/11/02 09:32

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 福島、安積、会津、磐城の県立高普通科四校は、二〇二二(令和四)年度に入学する生徒から単位制を取り入れる。大学進学はもちろん、その先の進路に向けて生徒の能力や可能性を伸ばす効果的な制度になるよう期待する。

 四校の単位制は、県教委が策定した県立高校改革前期実施計画に基づき導入が決まった。計画では生徒の学びの要望や進路希望に応じた特色ある県立高の配置を目指しており、四校はそれぞれの地域の進学指導拠点校に位置付けけられている。難関大学や医学部志望者の進路実現を図り、さまざまな分野において国内外で活躍し、未来をけん引できる人づくりを担うとの目標を掲げている。

 単位制では、生徒の多様な興味・関心や進路志望に対応して、幅広い科目が選択できる。一般的な学年制と同じように、高校三年間で学ばなければならない必修科目はあるものの、教科ごとに設ける専門的な選択科目を増やすことができる。県内では総合科を中心に、すでに実践している学校がある。

 進学指導拠点校での単位制は難関校、難関学部の合格率アップという目に見える形で成果が要求される。さらに、さまざまな分野で活躍できる人材を育てるために多角的な分野で学習意欲が持てるようなカリキュラムを用意しなければなるまい。どのような授業を、どう進めるかは各校に委ねられるが、単に大学合格だけを目標にするのではなく、進学先で何を学び、将来にどう役立てるかといった、より意欲的な学習に結び付くく授業を目指してほしい。生徒のやる気を引き出し、力を育む各校の取り組みが注目される。

 また、拠点校での効果的な授業は他の高校の参考にもなるだろう。県全体の学力向上につながるよう学校間で情報を共有すべきだ。

 単位制によって選択科目が増えれば、それに見合った教員の配属が必要になる。県教委は計画的な人材の採用、配置を行わなくてはならない。単位制の狙いがしっかり果たせるように県教委と各校は連携を密にした学校運営が求められるだろう。

 単位制は自発的、意欲的に学習に取り組む生徒にとっては適した制度だが、全員が最初から明確な目標を持って入学するとは限らない。在学中に夢を見つけたり、目標が変わったりする場合もある。選択科目を選ぶ場合には入念な説明や指導が欠かせない。学校は生徒に寄り添い、柔軟に手を差し伸べる姿勢を忘れないでほしい。(平田 団)