木戸川で伝統のサケの「合わせ網漁」 福島県楢葉町の木戸川漁協 全てふ化事業に活用

2021/11/14 10:15

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伝統の合わせ網漁でサケを捕まえる組合員
伝統の合わせ網漁でサケを捕まえる組合員

 福島県楢葉町の木戸川漁協は13日、サケのやな場周辺で伝統の「合わせ網漁」を行った。全国的に不漁が続いており、今回捕獲できたのは14匹のみだった。木戸川全体の漁獲量も昨年の3割程度の212匹で、同漁協は今季、販売所を開かず、漁獲したサケは全てふ化事業に活用する。

 合わせ網漁は下流に設置した網に向かって上流から別の網を流して、捕獲する。組合員約10人が川の中に入って追い込み、体長約40~50センチのサケを捕まえた。松本秀夫組合長(75)は「魚体も小さく、産卵を終えたサケも多い。震災前は1回の網に100匹以上は入っていた」と肩を落とした。

 同漁協では、東日本大震災前は年間7、8万匹の水揚げがあったが、東京電力福島第一原発事故後に稚魚の放流を中断した影響で漁獲量は大幅に減少。ここ数年は全国的な不漁が続いている影響もあり、数百匹の漁獲にとどまっている。

 同漁協は今月末までやな場での捕獲を続けるが、同漁協の捕獲分では、来春の稚魚放流は約5万匹にとどまる見込み。鈴木謙太郎ふ化場長(39)は「他県からの卵の購入も難しいが、できるだけ多くの稚魚を放流できるようにしたい」と語った。