段ボールの愛(11月25日)

2021/11/25 09:20

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 段ボールは、断面が波のように段々とした形のボール紙であることから名付けられた。日本で初めて製造に成功した井上貞治郎が命名した(レンゴー編著「トコトンやさしい段ボールの本」)。味も素っ気もないが、今やモノを送る箱の代名詞になっている▼学生時代に実家から届き、ありがたさで胸がいっぱいになった人もいるだろう。米や缶詰、旬の野菜や果物、子どもの頃に好きだった菓子などが入っていた。美しい飾りはなくても温かみを感じるのは、中に送り手の愛情が詰まっているからかもしれない▼県商工会連合会が今秋始めた取り組みも、送り手の思いを大切にしている。県産品を販売するインターネットサイトで生産者を詳しく紹介している。何げない日常を捉えた写真が並び、家族や趣味、仕事に関するエピソードが添えられている。サイト名「シオクリビト」は、段ボールを使って仕送りをする親などをイメージした▼丹精込めて作った人の気持ちや懐かしさを感じる風景が伝わることで、商品の魅力が増す。買い手は開けた瞬間、品物を大事に入れてくれた生産者の顔を思い浮かべるはずだ。福島から贈られる段ボールには、味がある。