
福島県双葉町の東日本大震災・原子力災害伝承館の長崎特別展は3日、長崎市の国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館で開幕した。長崎の人々に、震災と東京電力福島第一原発事故の複合災害に見舞われた福島県の現状と復興の歩みを伝えている。19日まで。
地震で倒壊した家屋や津波で流された電車、爆発後の東電福島第一原発の写真と解説パネル約80点を展示している。ホールボディカウンターや避難所の簡易更衣室なども約30点並んでいる。
伝承館職員の横山和佳奈さん、渡辺舞乃さん、遠藤美来さんと、元小学校長の泉田淳さんの4人が4日以降、語り部講話を披露する。長崎の語り部との意見交換にも臨む。
初日に開会式が行われ、長崎大教授の高村昇館長が「長崎に生まれ育ったものとして、被ばく医療の専門家として福島の復興に携わってきたものとして、長崎で伝承館の特別展は感慨深い」と語った。長崎市の田上富久市長、国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館の高比良則安館長もあいさつした。
福島市出身の作曲家古関裕而さん作曲の「長崎の鐘」が祈念館関係者によって演奏され、福島と長崎をつないだ。