デジタル雇用モデルに若松 首相来県「スーパーシティ」言及せず

2021/12/05 09:45

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 政府は成長戦略の柱の一つとして地方と都市の格差縮小を目指す「デジタル田園都市国家構想」の実現に向け、デジタル技術を活用した地方での雇用創出のモデル地域に福島県会津若松市を位置づけた。岸田文雄首相は4日、情報通信技術(ICT)関連企業が入居する同市のオフィスビル「スマートシティアイクト」を視察し、報道陣の取材に「会津若松市の取り組みを全国で共有する」との考えを示した。ただ、市が区域指定を国に申請中の「スーパーシティ」に関する発言はなかった。

 アイクトには国内外を拠点とするICT関連企業37社が入居し、200人以上が勤務している。政府はICT関連企業が集まり、地方に新たな仕事の場ができ、首都圏などから人材を獲得して活力を生み出している点などを先進事例として評価した。

 首相はアイクトでのデジタル活用に積極的な事業者らとの車座対話の中で「地方にこそデジタルによって乗り越えられる課題がたくさんある」と指摘し、地方でのデジタル化に向けた社会基盤(インフラ)整備を推進する考えを明らかにした。

 特に高速大容量の第五世代(5G)移動通信システムや光ファイバーなどのインフラを地方優先で整備すると強調した。会津若松市でのインフラ活用も評価した。今後、全国モデルとして同市のインフラ整備の加速化が想定される。

 政府の新しい資本主義実現会議はデジタル田園都市国家構想の具体化に向け、デジタルを活用した地域の自主的な取り組みを大規模な交付金で支援するよう政府に提言している。課題解決や魅力向上の好事例を他地域に広く展開する必要性も指摘している。

 規制改革を先取りして最先端の行政サービスを目指す「スーパーシティ」を巡っては、国は当初、夏ごろに全国で5自治体程度を区域指定するとしていた。会津若松市は4月に事業提案書を提出したが、同市を含む31自治体の提案した規制改革の内容が乏しいとの国の専門調査会からの意見を踏まえ、10月に事業内容を見直して再提出した。