日本の壁になる(12月21日)

2021/12/21 09:15

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 全国高校サッカー選手権に本県代表として二年ぶりに出場する尚志のディフェンダー、チェイス・アンリ選手は、米国人の父と日本人の母を持つ。言葉の壁を乗り越えて、若手の日本代表に選ばれるまでに成長した▼国内外のプロ球団が興味を示す日本生まれの十七歳。三歳で渡米し、中学一年時に帰国した。横須賀市の公立中に入学してから本格的にサッカーを始めたという。神奈川県の強豪校からの誘いを断り、パスをつなぐサッカーで知られる尚志に進んだ。競技歴わずか六年足らずで才能は一気に開花した▼昨年、日本代表のU-17(十七歳以下)に選ばれ、今年は飛び級でU-22にも選出された。十月に広野町のJヴィレッジスタジアムで行われたU-23アジア杯予選第一戦にチーム最年少で先発フル出場した。プロに交じってプレーする高校三年生は何とも頼もしい▼ポジションはセンターバックで、一八七センチの長身を生かし空中戦に挑む守備の要だ。将来の夢は日本のフル代表入りという。選手権の一回戦が二十九日に迫る。二年前は途中から二十分出場しただけだった。新たな「日本の壁」と期待される若者がベールを脱ぐ瞬間を見逃すまい。