



第100回全国高校サッカー選手権大会は31日、首都圏8会場で2回戦16試合が行われた。2年ぶり12度目の出場となった本県代表の尚志は、千葉県柏市の県立柏の葉公園総合競技場で関東第一(東京B)に0―0からのPK戦(5―6)で敗れ、3年ぶりのベスト16進出を逃した。
3大会ぶりの優勝を狙う青森山田はJ1のFC東京に入団する松木や、宇野禅斗(福島市出身)らのゴールで大社(島根)に6-0で大勝した。前回覇者の山梨学院は佐賀東に0-2で敗れた。
▽2回戦
関東第一 0―0 尚志
(0―0)
(0―0)
(PK6―5)
尚志はPK戦の末に敗れた。前半、FW本田、MF黒瀬のスピードを生かし、中盤でボールを奪ってからショートカウンターを仕掛けて好機をつくった。何度もゴール前に攻め込み、計5本のシュートを放ったが得点できなかった。後半、ドリブルと細かいパスをつなぐ関東一の反撃を受けたが、GK鮎沢を中心に守備陣が体を張り、無得点に抑えた。
■相手押し返せず
尚志・仲村浩二監督の話 強風の影響もあり、後半はボールを保持して攻めてくる相手を押し返せなかった。得点を奪うために試行錯誤したが、成果が出せなかった。
■頑張り褒めたい
関東第一・小野貴裕監督の話 尚志のDFチェイス・アンリ選手からのロングパスを警戒していた。選手たちは持てる力を全て出してくれた。頑張りを褒めたい。
■地元出身、大舞台で躍動 尚志のMF草野走力存分に
尚志のMF草野太貴(3年)はスピードを生かして左サイドを切り裂いた。郡山七中出身。全国の舞台での活躍を夢見て入部した。全国から有望選手が集い、部内競争は熾烈(しれつ)だった。それでも「地元出身でも通用するところを示したい」と懸命に努力を重ねてきた。今後は大学で競技を続ける。「プロになってお世話になった人に恩返ししたい」と新たな目標を掲げた。
■「決め切れなかった結果」 尚志、悲願への道「終幕」
悲願の全国制覇を目指した尚志の戦いは2回戦で幕を閉じた。DFチェイス・アンリ(3年)は「決めるところで決め切れなかった結果。チームが一年間抱えてきた得点力不足という課題が、最後まで響いた」と悔しさをにじませた。
尚志は風上の前半、何度もサイドを突破したが、ゴール前でのプレーに精度を欠き、無得点に終わった。仲村浩二監督は「前半に1点が取れなかったのが敗因」と振り返った。
8月の全国高校総体(インターハイ)、12月のプレミアリーグ参入戦で、いずれも無得点で敗退した。主将のFW松本勇斗(3年)を中心に何度も話し合い、朝の練習からシュート練習に取り組むなど、課題と向き合ってきた。選手権に向けてJヴィレッジで実施した事前合宿でも、得点を取り切るためのトレーニングを重ね、チーム一丸となって得点力向上を目指してきた。
3年生は大学などでサッカーを続けるメンバーが多い。仲村監督は「結果を受け止め、尚志での経験を糧にプロや日本代表を目指してほしい」と期待した。アンリは「プロの世界で悔しさを晴らしたい」と決意を語った。






