
東日本大震災と東京電力福島第一原発事故発生から丸11年となる3月11日、福島空港―熊本空港間を相互に往来するチャーター便が運航される。これに合わせて2泊3日の視察ツアーも行われる。福島県民と、熊本地震で被災した熊本県民が被災地の現状を互いに学ぶ。福島県が4日、発表した。
初めての取り組みで宮崎市に本社があるソラシドエアが運航する。福島空港出発便、熊本空港出発便のいずれも3月11日に出発する。渡航先で被災地の視察や観光をし、13日に両空港に戻る。
視察先は、本県は双葉町の東日本大震災・原子力災害伝承館、熊本県は新阿蘇大橋や熊本城など。上空から被災地を眺める企画や、機体内で被災地の現状に理解を深める取り組みなども検討されている。
ソラシドエアから福島県に「被災地同士で学び合い、つながりを強められないか」と提案があり、実現した。県によると、福島空港―熊本空港便の運航は2019年度と2020年度がゼロ、2021年度は2便のみ。
福島空港利用促進協議会長の内堀雅雄知事は「東北と同様に震災からの復興に立ち向かう熊本県の姿を見ることができる」と意義を強調している。
福島空港出発便の参加者は約170人限定。旅行会社が近く、予約受け付けを始める。