自宅蔵につるし雛 ギャラリーに改装 福島県楢葉町の新妻芳子さん

2022/01/10 18:13

  • Facebookで共有
  • Twitterで共有
ギャラリーに改装した蔵の中でつるし雛を展示している新妻さん
ギャラリーに改装した蔵の中でつるし雛を展示している新妻さん

 福島県楢葉町大谷の新妻芳子さん(82)は自宅の蔵をギャラリーに改装し、制作したつるし雛(びな)の展示を始めた。東京電力福島第一原発事故に伴う避難生活中に作り始め、作品は1000個を超えた。「布の色の組み合わせを楽しんでほしい」と来場を呼び掛けている。

 新妻さんは東日本大震災と原発事故で、いわき市の仮設住宅に避難した。2015(平成27)年春に同じ楢葉町から避難していた高原カネ子さんに出会った。高原さんの布細工教室に通い、つるし雛づくりを学んだ。

 「古い布が新しい作品として生まれ変わるのが楽しい」。古里を離れ不安な避難生活の中で制作に夢中になった。2018年に町に戻った後も、ひと針ひと針、心を込めてぬい続けてきた。「全ての作品が作った時の思い出とつながっている」と、制作した作品は販売せず、自宅で大切に保管してきた。

 作品はフクロウや金魚、花の形などさまざまで、築100年を越える蔵の1階と2階の天井につり下げられ、室内を彩っている。「つるし雛は古い建物によく合う。見て喜んでもらえるとうれしい」とほほえんだ。

 住所は楢葉町大谷字山根29で、入り口の看板が目印。入館無料で、毎月第1、第3土曜日の午前10時から午後3時まで開館する。次回の開館は15日。