食洗機に会津漆器 どのくらい持つ? 福島県ハイテクプラザ若松が検証、利用拡大目指す

2022/01/13 16:20

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会津漆器を家庭用食洗機にかける原さん
会津漆器を家庭用食洗機にかける原さん

 食洗機には一般的に非対応とされる漆器類。では、実際に使った場合の耐久性は?こんな疑問に答えようと福島県ハイテクプラザ会津若松技術支援センター(福島県会津若松市)は、会津漆器で検証を進めている。研究は2023(令和5)年度までの3年間で、会津伝統の蒔絵(まきえ)技法や木地を使った器が対象。職員は耐久性を調べることで会津漆器の使途を広げるつもりで、地道な挑戦を続けている。

 産業工芸科研究員の原朋弥さん(34)が毎日5回を目安に、家庭用食洗機で漆器の出し入れを繰り返す。試験するのは地元業者から取り寄せた14種の食器。それぞれ「花塗り」「朱磨き」など、会津塗独自の蒔絵が施されている。

 原さんは20回の試験ごとに写真を撮って色や光沢の変化を確かめる。100回刻みではエックス線CT(コンピューター断層撮影)も使用。3次元で木地の変形の有無などを調べる。今年度500回が目標で、すでに400回を超えた。これまで木地の変形は見られないが、一部の漆器で塗膜のひび割れなどが現れている。食洗機の洗い、すすぎ、乾燥の工程でダメージを受けたという。

 原さんは紫外線の影響や保管状況などを含め、劣化の要因を総合的に分析する。来年度以降、実際の調理現場で使用した漆器での検証を始める予定だ。

 研究のきっかけは、市内の卸業者からの要望だった。会津漆器は主に首都圏で多く取引されるが、新型コロナウイルスの影響で百貨店を中心とした店頭販売で厳しい状況が続いているという。業者の一人は「食洗機の対応を問われる機会が多い。特に新規顧客の獲得には重要な要素となる」と話し、検証の行方に注目する。

 地元の飲食店も研究に関心を寄せている。会津若松市の割烹田季野は会津漆器で料理を彩る。女将(おかみ)の馬場由紀子さん(52)は「使い勝手が良くなれば、もっと飲食店での利用が広がるのでは」と期待した。

 市は地元飲食店への利用促進を目指し、漆器購入費の一部を補助している。今年度に制度を活用した居酒屋「舞酒」店長の鈴木秀幸さん(45)は「会津漆器を使うと、やっぱり料理が映えますね」とほほ笑んだ。