学び直して家族に感謝の手紙 福島県大熊町から会津若松市に避難の大竹英子さん(56)

2022/01/14 10:57

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最優秀賞を喜ぶ大竹さん(左から2人目)と、吉田町長(右隣)。右が道川教諭、左が佐藤校長
最優秀賞を喜ぶ大竹さん(左から2人目)と、吉田町長(右隣)。右が道川教諭、左が佐藤校長

 東日本大震災と東京電力福島第一原発事故により福島県大熊町から会津若松市に避難している大竹英子さん(56)は義姉の後押しを受け、小中学校の聴講生として、学ぶ喜びを感じてきた。義姉への感謝の気持ちをつづった作文が県教委の「モラル・エッセイ」コンテスト一般の部で最優秀賞に輝いた。

 中国・広東省出身。1991(平成3)年に来日し、大熊町で暮らしていた。原発事故の避難中、夫が病気のため亡くなった。悲しみに暮れる中、知人の手紙が心の支えだった。お礼の手紙を自分の言葉で書きたいと思ったが、日本語は難しかった。

 会津若松市内で大野小が再開したのを知った。一緒に暮らす義姉に相談すると、「勉強するのは良いこと。夢は、縁のある方に感謝の手紙を書くことでしょう」と励ましてくれた。義姉は目が不自由なため、大竹さんが自分の書いた手紙を音読し、それを聴いた義姉がおかしな所を直してくれた。

 大竹さんはコンテストに応募した作文の題を「家族」とし、最後に「義姉を支えるばかりではなく、私も義姉に支えられているのだと感じました。私は義姉と家族になれて幸せです」と記した。

 大竹さんは大野小から大熊中、会津二高を経て、昨年5月から、再び大野小で授業を受けている。「基礎を学び直したい」との思いからだ。将来、大熊町に戻り、新たに建設される義務教育施設「学び舎(や) ゆめの森」に通う夢を描く。

   ◇  ◇

 大竹さんは13日、大熊町役場を訪れ、吉田淳町長に最優秀賞の受賞を報告した。木村政文町教育長、熊町小・大野小・大熊中の佐藤由弘校長、作文を添削した大熊中の道川千穂教諭が同席した。