論説

【園芸ギガ団地】会津地方で具現化を(1月17日)

2022/01/17 09:06

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 JA会津よつばは野菜などの大規模生産団地「園芸ギガ団地」構想の実現に向けた取り組みを強めている。二〇二二(令和四)年度から三年間の中期経営計画に会津地方への整備を盛り込み、推進していく方針だ。事業費の確保や地権者の合意形成など課題は多いが、コメ余りや米価下落、担い手不足に苦しむ基幹産業の活路を開く試みとしてぜひ具現化してほしい。

 構想は主要品目の一大産地を形成するとともに情報通信技術(ICT)を導入して作業の効率化と生産性の向上を目指す内容だ。開設場所や規模、生産品目は生産者らの意向もくみ、理解を得ながら検討したいとしている。

 会津地方は水稲と並んでアスパラガス、キュウリ、トマトなど野菜の生産が盛んだ。二〇二一年度の販売見込み額はアスパラガスが五億九千四百万円、キュウリは十億七千万円に上る。トマトはブランドの南郷トマトだけでも九億七千七百万円に達する。

 ただ、生産者の高齢化に伴う後継者確保などの課題は依然として残る。アスパラガスについては二〇一六(平成二十八)年度の生産者、販売額が七百二十二人、九億七千六百六十万円だったのに対し、現在の生産者は五百九十一人に減り、販売額は六億円を下回っている。会津産の品質は市場評価が高いものの、生産量の落ち込みにより供給が間に合わない状況が続いているという。ギガ団地で取り扱う品目はアスパラガスが有力な候補になるのではないか。

 ギガ団地構想は秋田県の取り組みが手本になる。JAや農業法人などが主体となって枝豆、アスパラガスなどの野菜や菊、トルコギキョウなどの花卉[かき]、リンゴ、ナシなどの果樹、キノコ類の菌床シイタケの団地化を進め、一団地当たり一億円以上の販売目標を掲げている。周辺地域にサテライト団地なども配置し、連携して生産、販売する仕組みも整えている。国、県の補助事業を効果的に組み合わせて県内で計四十以上のメガ団地やサテライト団地などを整備し、園芸作物の底上げに寄与していると聞く。

 ギガ団地の開設はJAグループ福島も農業戦略の柱に据えている。県は品種ごとの団地化を二〇二一年度から五年間の県園芸振興プロジェクトの柱の一つに据えている。会津若松市にはJA会津よつばと全農が共同運営する全国初の広域的な野菜の集出荷施設「会津野菜館」がある。これを生かし、会津地方がギガ団地のモデル地域になるよう県は積極的に支援するよう求めたい。(五十嵐稔)