衆院小選挙区10増10減で内堀福島県知事が意見

2022/01/21 09:37

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 衆院小選挙区の「一票の格差」是正に向けた「10増10減」の定数見直しで、1減となる福島県の内堀雅雄知事は20日、経済圏や生活圏などの一体性を最大限考慮するよう求める知事意見を衆院選挙区画定審議会(区割り審)に伝えた。

 区割り審は改定案作成に向け、全都道府県知事に区割り改定の作成基準などの意見を照会している。「10増10減」対象の本県など15都県に対しては、区割り改定自体に関する見解を聞いている。

 本県では2017(平成29)年の衆院選で、3区だった西郷村が4区に編入された区割りが適用され、結果として西白河郡が分断された経緯がある。現行の区割りは地域として一体性が考慮されていないと指摘した上で、改定案の作成には「数合わせ」のための市や郡の分割を避け、地域の特性を十分に考慮するよう求めた。さらに、東日本大震災と東京電力福島第一原発事故による県内人口の流動的な側面を加味するよう具申した。

 「10増10減」は2020年国勢調査確定値に、人口比を正確に反映しやすい新たな議席配分方法「アダムズ方式」を適用して都道府県定数を確定した。


衆院小選挙区の改定案作成に向けた内堀知事の意見

1.区割りの改定案の作成方針について

 地域の歴史的沿革や地勢状況、経済圏域や生活圏域などの地域としての一体性を最大限に考慮するよう求める。

2.現行の区割りについて

 前回の区割り改定において、西白河郡の西郷村のみが3区から4区に編入されたが、地域の歴史的沿革や地勢状況、経済圏域や生活圏域などの地域としての一体性が考慮されていないことから、是正するよう求める。

3.区割り改定案の作成について

 本県は、地勢的に南北に走る阿武隈山地と奥羽山脈により、浜通り、中通り、会津地方に分かれ、それぞれの気候風土、伝統文化、経済圏や生活圏が全く異なるという特性を持っている。特に、現在の4区の大部分を占める会津地方は、長い歴史の中で独自の風土や経済圏、生活・文化圏を形成し、現在も様々な地域課題に対し広域的に一体となって対応しており、会津地方の市町村は4区(会津地方)の分割に強く反対している。区割り改定案の作成に当たっては、「数合わせ」のための市や郡の分割は避けるとともに、地域の特性を十分に考慮のうえ、慎重に審議されるよう求める。

4.その他

(1)福島県の特殊事情について

 本県では、東日本大震災に加え、東京電力福島第一原発事故の影響により、現在でも約2万7千人の県民が県外に避難し、約7千人が県内の他市町村で避難生活を続けている。今後の避難指示の解除などにより、本県の人口は、しばらくの間は不安定かつ流動的な状態である。人口の算定や区割りの改定にあたっては、本県の特殊事情について十分に考慮する必要がある。

(2)選挙制度について

 人口基準によって議員数や区割りを決める現在の制度においては、地方選出の議員数の減少が避けられないことから、地方の声を国政に反映させることを考慮する必要がある。