民話の教え(1月25日)

2022/01/25 09:22

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 民話は古来、人々の暮らしの中から生まれ「昔こんな話があったとさ」と語り継がれてきた。そこには先人の願いや生きる知恵が詰まっている。いわき市南部を流れる鮫川にまつわる話も海との関わり方の教訓を今に伝える▼昔、鮫川が注ぐ海には背に海藻を生やした大ザメがいたそうだ。漁師らは海の神様としてあがめ、波打ち際に寄ってくると酒やごちそうでもてなした。ある日、通りがかった殿様がそれを知らずに弓で射ってしまう。殿様は馬で近くの川を渡るたびにサメに襲われ、とうとう愛馬を失ったという▼いわき市は日本財団が認定している「海ノ民話のまち」に選ばれ、この話がアニメ化されることになった。大ザメと自然の脅威を重ねながら、口伝えだけでなく映像でも海の大切さを教えてくれる。アニメを教育に生かしながら、子供たちに古里の海や自然を守る心を育み次の世代につないでいく▼島国の日本にとって、海は多くの恵みを与えてくれるが、時に私たちに牙をむく。砂浜にはビニール袋やペットボトルなどの廃プラスチックが打ち寄せられている。大ザメの怒りに触れないか不安がよぎる。民話の教訓を心にとどめたい。