

社会福祉法人希望の杜福祉会(本部・福島県いわき市)は、東日本大震災から約10年10カ月ぶりに福島県楢葉町にある就労継続支援事業所「ふたばの里」の豆腐製造販売を再開した。「地元の人に、こだわりの豆腐を味わってほしい」と呼び掛けている。
ふたばの里は2005(平成17)年に町内山田岡に開所。浜通り各地で利用者の手作り豆腐やおからドーナツを販売し人気を集めた。しかし、東京電力福島第一原発事故に伴い、いわき市に避難を余儀なくされ、豆腐事業は休止していた。
このほど、町内北田字鐘突堂にある「ふたばの里」事務所わきに豆腐工場兼販売所を新設。今月から利用者と職員計7人が木綿豆腐や絹豆腐、豆乳などを製造し販売している。青森県産と岩手県産の厳選した大豆を使った豆腐は「ほのかな甘味がありおいしい」と住民から好評だという。
現在は町内で販売しているが、将来的には郡内全体に販路を広げる予定だ。ふたばの里の松本善孝施設長(41)は「固形のにがりを使うなど作り方にもこだわった。厚揚げや生湯葉なども製造し、住民に長く愛される商品を提供していきたい」と話している。
販売所の営業は毎週火~金曜日で、時間は正午から午後4時30分まで。数量限定の販売のため購入者には事前の連絡を呼び掛けている。