252国道の橋、雪崩で流出か 福島・只見の田子倉湖周辺

2022/03/08 11:03

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 福島県は7日、只見町田子倉の252号国道に架かる「あいよし橋(長さ93メートル、幅9・2メートル)」が雪崩で流失したとみられると発表した。県によると、雪崩による橋の流失は県内で初めて。冬季通行止め中で人や家屋に被害はないという。積雪のため現地調査は5月になる見込みで、復旧時期は見通せない。県は橋を回(うかい)する旧道の利用を検討するが、長く閉鎖中で路面が傷んでいるとみられ、状況次第で長期間通行止めとなる可能性もある。新潟・福島豪雨の影響で運休中のJR只見線の全線開通を秋に控える中、関係者は観光への影響を懸念する。

 県によると、近くにある田子倉ダムの定期点検に当たる電源開発(Jパワー)のヘリコプターが4日、上空から橋の流失を確認し県に連絡した。橋は最後に確認された2月14日以降、橋脚に雪崩の直撃を受けたとみられる。

 今季は例年より雪が多く、只見町の積雪量(4日時点)は観測地点で252センチに上る。積雪で陸路による現地調査が困難なため、11日をめどに再度上空から橋の状態を確認する。14日から道路の除雪作業を開始し、5月上旬に陸路による現地調査に乗り出す。

 橋は約5億円をかけて整備され、2002(平成14)年に完成した。復旧には5億円以上かかるとみている。

 252号国道の只見町-新潟県魚沼市間の県境は「六十里越」と呼ばれる。日本有数の豪雪地帯のため、冬期間(12月~4月下旬ごろ)は橋を含む県境と田子倉ダム間(14・4キロ)が通行止めとなる。

 県は代替路として、現在閉鎖している旧道の使用を視野に入れる。しかし、約20年間手つかずの状態で、道路の舗装や木の伐採などの整備に時間がかかれば長期間通行止めとなり、観光などへの影響が出てくるとみられる。

 只見町と新潟県三条市を結ぶ289号国道八十里越区間(延長20・8キロ)の整備が進んでいるが、全線開通は2026(令和8)年とされる。252号国道は現在、只見町と新潟県を直接結ぶ唯一の幹線道路となっている。


■観光への影響懸念

 252号国道のあいよし橋が流失したのを受け、只見町の関係者は観光への影響を心配する。

 新緑の季節から秋の紅葉シーズンにかけ、新潟県や首都圏などから多くの観光客が訪れる。福島県によると、近くの252号国道は1日約1000台の車両が通行する。

 橋がある田子倉湖周辺は、雄大な景色を楽しめる人気のスポット。町によると、コロナ禍前は田子倉湖畔にある田子倉レイクビューに年間8万5000人ほどの観光客が訪れていた。町内にある「季の郷湯ら里」フロント主任の目黒秀成さん(47)は「春になれば地元と新潟の交流がより活発化する。大きな影響がないといいが」と不安を口にする。

 今年秋にはJR只見線の全線再開通や、幕末の長岡藩(新潟県)家老で、只見町で没した河井継之助を描いた映画「峠 最後のサムライ」の全国公開が予定されている。町観光商工課長の目黒祐紀さん(49)は「今年は町の魅力を全国に発信できる好機と捉えている。何とか交通を確保してほしい」と求めた。