東日本大震災・原発事故

「復興」「地域活性化」へ連携 福島県と東大が協定締結

2022/03/10 09:22

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オンラインで連携協定を締結した内堀知事と藤井総長(左)
オンラインで連携協定を締結した内堀知事と藤井総長(左)

 福島県と東京大は9日、東日本大震災と東京電力福島第一原発事故からの復興や地域の活性化に向けて包括連携協定を締結した。本県の復興に向けた研究や発信を進めるとともに、浜通りに設立される予定の「福島国際研究教育機構」における人材育成など各分野での協力も視野に入れる。

 締結式はオンラインで行われ、内堀雅雄知事と藤井輝夫総長が協定書に署名した。内堀知事は、政府が設立に向けて法整備を進める教育機構を念頭に、「東京大の世界水準の卓越した知見や国際的な学術ネットワークは新しい機構に欠かせない」と積極的な関わりに期待を寄せた。藤井総長は教育機構の具体的な研究内容は確定していないとした上で、「大学の知見やネットワークが復興に貢献できるか、今後検討したい」と応じた。

 協定に基づく連携内容には(1)福島・国際研究産業都市(イノベーション・コースト)構想の推進(2)福島の復興(3)福島の地域活性化(4)協定の目的達成に必要なこと―を掲げた。

 東京大は協定に基づき、新年度から本県で「フィールドスタディー型政策協働プログラム」に取り組む。学生が本県に一定期間滞在し、地域課題を探求する。震災と原発事故から11年となる浜通りをはじめ、復興の濃淡が異なる県内各地での活動を想定している。