東日本大震災・原発事故

「震災の記憶と希望つなぐ」 絵本「きぼうのとり」で大切さ学んだ須藤さん 福島県の追悼復興祈念式

2022/03/11 21:32

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震災の記憶を未来につないでいくと決意する須藤さん
震災の記憶を未来につないでいくと決意する須藤さん

 「震災の記憶と希望を未来につなげていかなければならない」。福島県福島市で行われた県の東日本大震災追悼復興祈念式で、若者のことばを述べた郡山市のあさか開成高2年の須藤聖菜さん(17)は、県内の現状と歩みを発信し続けると力強く誓った。

 震災と東京電力福島第一原発事故発生した時は6歳だった。何が起きているかも分からなかった。後に報道などで震災による県内の被害状況や課題を知る機会はあったが、当事者として受け止めていなかった。

 高校生活を過ごす中で、震災の記憶をつなぐ福島民報社の絵本「きぼうのとり」や、双葉郡からの避難者と出会い、自らの考え方が大きく変わった。授業で絵本を読み、どんな時でも希望を持つ大切さを学んだ。双葉郡から郡山市に避難している障害者と就労支援施設で交流し、古里を離れながらも前を向いている姿勢に心を動かされた。

 こうした体験を通し、自分は震災と無関係ではなく「福島の未来を創る一員だ」と捉えるようになった。県内には原発事故に伴う風評など多くの分野で課題が山積みのままだと感じている。須藤さんは「下を向いていては何も進まない。風化させないためにできることをしたい」と視線を前に向けた。

 県の追悼復興祈念式では、会津若松市の会津高合唱部1・2年生25人が犠牲者への祈りと復興への願いを込めて献唱した。

 まだ見ぬ人に会いたい気持ちを歌った「あいたくて」、福島市の詩人和合亮一さんが鎮魂と再生へ思いを込めて作詞した「夜明けから日暮れまで」の2曲を歌った。部員と顧問の大竹隆教諭(60)が話し合って選曲した。

 部長の宮森結川(ゆいか)さん(17)は「会場の外の被災者にも届くよう、一つ一つの言葉を大切に歌った」と振り返った。副部長の佐藤文香さん(17)は「今日の歌が亡くなった方の魂に届けばうれしい」と願った。学生指揮者の北見真彩(まい)さん(17)は「震災への思いを次の世代に伝える」と述べた。