選手と起業家〝二刀流〟 陸上日本選手権男子800覇者 田母神一喜さん(郡山出身)走る楽しさ伝える

2022/03/28 13:31

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小中高校生を指導する田母神さん。陸上を通して地域を元気にしたいと願う=26日、郡山市・HRS開成山陸上競技場  「穏ヤカナ午後ノ鶴ケ城」をあしらったアートクロス
小中高校生を指導する田母神さん。陸上を通して地域を元気にしたいと願う=26日、郡山市・HRS開成山陸上競技場 「穏ヤカナ午後ノ鶴ケ城」をあしらったアートクロス

 陸上男子800メートルで昨年の日本選手権を制した郡山市出身の田母神一喜さん(24)=学法石川高出身=は代表を務める「ⅢF(スリーエフ)」を合同会社として法人化。4月からジュニアチームを設立し、多くの小学生に競技の魅力を伝える。県産品がもらえるなどアスリート以外も気軽に参加できる大会を開き、競技人口の拡大や地域おこしの取り組みも強化する。「多くの人に競技場に足を運んでほしい」。大好きな古里を陸上で元気にする新たな一歩を踏み出す。

■古里に小学生チーム

 田母神さんは所属先の阿見AC(茨城)を3月末で退社し、今後は「ⅢF」の所属で世界を目指す。国内トップ級の中距離選手が県内の小学生らと間近で触れ合い、次代を担うホープの発掘に力を尽くす。

 26日午後には郡山市のHRS開成山陸上競技場で、競技講習会「ⅢFウインタースクール」の講師を務めた。「自分の背景を見せ、応援される選手になりたい」。県内の小中高校生約20人を対象に、何度も手本を見せながら走り方の基本を教えた。

 ⅢFは三つのFとして「Fun From Fukushima(ふくしまから、楽しさを)」の意味を込めて名付けられた。2020(令和2)年11月に任意団体として誕生し、今年2月に合同会社となった。田母神さんが2020年7月、この競技場で企画した大会で運営に協力した20~40代の23人がメンバー。それぞれ会社員など別の職業を持ちながら、企画・運営に携わる。

 新設のジュニアチームは2コース設ける。1~6年生のアスレチックコースは幅広いスポーツの経験で運動に興味を持たせる。5、6年生のアスリートコースは実践的指導を行い、能力の向上を目指す。

 大会の企画にも力を入れる。これまでに「郡山NY駅伝・ロードレース大会」や「ⅢF SUMMER GAMES」を開催してきた。2022年度は年間6~8大会を開く予定。協賛企業の商品提供、物産展開催など、「地域性」をテーマとした新しい形式の大会を目指す。新たに浜通りでの開催も視野に入れる。

 年間予算は約1000万円で、資金は大会の参加費、ジュニアチームの月謝、スポンサー料など。田母神さん自ら営業回りを担当し、活動内容の説明に加えて商品PRなど企業側のメリットも示す。現時点で県内7企業が協力の意向だ。「福島は陸上好きな人が多い」と大きな期待を感じる。


 地元に貢献したいと、中央大3年の時からクラブチーム設立の構想を温めてきた。「オール福島」の選手構成で、10年以内の全日本実業団対抗駅伝(ニューイヤー駅伝)出場が目標だ。「スポーツの魅力を地域に根付かせたい」と視線を前に向けた。