指の静脈でキャッシュレス決済 全国の自治体初 福島県玉川村

2022/03/30 09:30

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 福島県玉川村はデジタル技術を活用して指の静脈を読み取るだけで買い物などの決済ができる事業に乗り出す。村内の協力店舗で7月から半年間、「手ぶらキャッシュレス」の実証を行う。村などによると、全国の自治体で初めての取り組み。利用者にプレミアム付き商品券を販売し、新型コロナウイルス感染拡大の影響で疲弊した地域経済の活性化を図る。

 村とNTTデータ、日立製作所、三菱HCキャピタルが連携する。手ぶらキャッシュレスは、指の毛細血管の形を専用の機器で識別して本人確認する。指紋認証と異なり、静脈は体の中にあるため、成り済ましなどの不正が難しく、安全性が高いという。認識の精度も高く、約1秒で識別できるという。

 村役場で生体情報を登録し、専用サイトで個人のクレジットカードとひもづける。店舗に設けた認証装置に指をかざせば、事前に購入した商品券の残高から決済できる。

 事業費は約3千万円。村は事業委託料や商品券発行費など約1800万円を2022(令和4)年度一般会計当初予算に盛り込んだ。協力店舗はスーパーやドラッグストア、飲食店など10事業所程度で、今後募集する。商品券のプレミアム率や販売数なども検討する。

 利用対象は村民だけでなく、県内外の住民も登録できる。この仕組みを使えば、スマートフォンを持たない高齢者も利用できる。村は幅広い層に利便性を実感してもらい、実証終了後の実用化を検討する。サイクリングやカヌーなど豊かな自然を生かした体験型観光を推進しており、サービスを交流人口拡大の起爆剤にしたい考え。

 村と3社は29日、デジタル化推進に向けた連携協定を締結した。まちづくりや教育、環境、防災などのさまざまな分野で相互に協力する。石森春男村長は「手ぶらで買い物ができる環境を作りたい。デジタル先進の村を目指す」と話した。