大相撲 郷土力士の話題

【若隆景 賜杯への軌跡(下)】後輩力士の背中押す 応援の輪全国に拡大 後援会員を募集

2022/03/31 14:20

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若隆景関の優勝に刺激を受け、稽古に熱を込める学法福島高の相撲部員
若隆景関の優勝に刺激を受け、稽古に熱を込める学法福島高の相撲部員

 大相撲春場所で初優勝した福島市出身の関脇若隆景関(27)=本名・大波渥さん、荒汐部屋=の活躍は各方面に大きな波及効果をもたらしている。優勝以降、大波三兄弟福島後援会には入会希望者が殺到。後援会は荒汐部屋が福島市で来年夏に開催予定の合宿への協力や観戦ツアーなどを通じて、交流人口の拡大や地域のにぎわい創出につなげたい考えだ。

 「電話が鳴りっぱなしでした」。後援会の事務局を担う福島商工会議所の担当者は反響の大きさに驚く。後援会は2020(令和2)年12月に発足した。優勝決定後の3日間で会員は、個人が約40人増え約260人、法人・団体が約20増え約100となった。全国から入会希望が相次ぎ、「ファンになった。応援しています」「三兄弟に頑張ってほしい」などの激励の声が届いているという。

 新型コロナウイルスの感染状況次第だが、後援会は合宿の際の稽古を部屋の協力を得て一般公開し、誘客につなげたい考え。渡辺博美会長(75)=福島商工会議所会頭=は「相撲を通じて人と人とのつながりが強まり、地域活性化につながってほしい」と期待を寄せる。

 福島県出身力士として50年前に優勝した先代栃東の志賀駿男さん(77)の出身地・相馬市では、志賀さんが親方を務めた玉ノ井部屋の相馬市後援会が組織され、恒例の夏合宿を支援している。後援会長の立谷一郎さん(64)は「相撲を通して福島と相馬の交流が深まれば」と話す。

 若隆景関の活躍は後輩力士の励みになっている。母校の学法福島高相撲部では部員の練習に熱が入る。1年の渡辺晴紀さん(16)は高校から相撲を始めた。身長162センチ、体重77キロと相撲部員の中では小柄だ。大型力士を次々と破り春場所を制した若隆景関の活躍に「体の小さい自分も強くなれるかもと勇気をもらった。稽古を頑張る」と気合を込めた。顧問で若隆景関を指導した二瓶顕人教諭(36)は「先輩の優勝は生徒にとって大きな励みになる」と目を細める。

 県北相撲協会が1982(昭和57)年に始めた、わんぱく相撲教室は「大波三兄弟」をはじめ10人の大相撲力士を輩出している。かつて20~30人だった会員は少子化などで減少し、最近は10人に満たない。同協会の矢吹庄治副会長(78)は「底辺を拡大しなければ大波兄弟のような力士は育たない。相撲に関心が高まっており、入会希望者が増えてほしい」と願う。