「対策万全」お花見満喫 人出、昨年より増 コロナ禍「春の観光シーズン」到来 福島県内

2022/04/10 10:28

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癒やしを求めてマスク姿の市民らが訪れた郡山市の開成山公園=9日午後1時20分ごろ
癒やしを求めてマスク姿の市民らが訪れた郡山市の開成山公園=9日午後1時20分ごろ
花見客が多く訪れ、出店に列ができた松ケ岡公園=9日午後
花見客が多く訪れ、出店に列ができた松ケ岡公園=9日午後

 春の観光シーズンが本格的に幕を開けた9日、福島県内各地の観光地では春の陽気の中、新型コロナウイルスの感染対策を取りながら、花見を楽しむ人でにぎわった。福島市の花見山公園は、コロナ禍以降最多となる約8000人が来場し、ボランティアらが温かくもてなした。各地とも昨年より人出は多く、観光関係者は感染拡大に警戒しつつ今後の誘客に期待を寄せた。


■徒歩や自転車多く 花見山

 花見山公園の来場者は、昨年最も多かった4月3日の約5000人を3000人上回った。桑折町の無職阿部せつ子さん(81)は友人とその家族とともに5年ぶりに訪れた。昔は毎年来ていたが、近年は車の運転と体力に不安があり、足が遠のいていたという。新型コロナ感染防止のため、適度に人と距離を空けて散策した。「久しぶりに来て改めて花見山公園の魅力に気付いた。きれいな花に囲まれて幸せ」と満足そうだった。

 来場者をもてなすボランティアガイド「ふくしま花案内人」は50人体制で、花見山の魅力を伝えた。ガイドを13年務めている鴫原正之さん(74)は「好天に誘われ、市外、県外から多くの人が来たようだ。こんなに活気が出たのは久しぶり」と声を弾ませた。

 花見山観光振興協議会によると、コロナ禍以降は少しでも人との接触を避けるため、徒歩や自転車などの移動手段を使うケースが多いという。担当者は「コロナ禍前の人出に近づいている。感染対策を心がけ、受け入れを進めたい」と気を引き締めた。


■人と距離空け散策 開成山公園

 郡山市の開成山公園では、五分咲きになった桜を楽しむ人でにぎわった。感染防止対策として周囲との距離を取りながら桜を眺める人もいた。

 郡山市では新規感染者の200人超えが続く。市内の会社員今泉正広さん(56)は人混みを避け、多くの人が触れるものに触らないよう気を付けて観桜した。「良い気分転換になった。これからも感染対策は徹底したい」と自衛策を語った。

 二本松市の会社員丹野正樹さん(40)は妻と初めて訪れた。青空の下、爽やかな風を受け、「県をまたいだ移動は自粛している。天気も良かったので、密を避けられる公園に来てみた」と笑みをこぼした。


■鶴ケ城

 会津若松市の鶴ケ城公園には、4日に開幕した「鶴ケ城さくらまつり」を楽しもうと多くの観光客が訪れた。会津若松観光ビューローによると、県外からの団体客も見られたという。渡部健志天守閣管理課長(52)は「さくらまつりが開幕して最初の週末で、今後に期待を持てる人出だ」と手応えを見せる。

 市内の東山温泉にある「くつろぎ宿千代滝・新滝」の宿泊者数は、4月の9日間で昨年4月の一カ月分を上回った。この日も約400人の宿泊を受け入れた。マーケティング部の菅家卓哉さん(31)は「会津の桜はこれから。予約が伸びそう」と期待を膨らませた。


■松ケ岡公園

 いわき市の桜の名所である松ケ岡公園では、多くの家族連れやカップルが訪れ、満開の桜を楽しんだ。近くの道路に駐車待ちの車が並び、露店にはお菓子や軽食を買い求める人が列をつくった。

 公園の入り口には、レジャーシートなどを使用しての飲食、歓談は自粛との掲示があり、対策を啓発している。子ども3人と訪れた市内の事務職の女性は人出に驚きつつ、「息子が濃厚接触者でしばらく自宅待機になっていた。ストレスがたまっていたようなので、感染に気を付けながら遊ばせたい」と家族だんらんを満喫していた。