会津トマトでエコなビール造り 福島県会津若松市の大友さん 24日まで資金募る

2022/04/19 17:40

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醸造所に生まれ変わる蔵でビールの構想を語る大友さん
醸造所に生まれ変わる蔵でビールの構想を語る大友さん
大友さんが考えるクラフトビールのイメージ。トマトや旬の果物を使って造る
大友さんが考えるクラフトビールのイメージ。トマトや旬の果物を使って造る

 福島県会津若松市のトマト農家大友佑樹さん(37)は今秋、市内北会津町にある蔵をビール醸造所に改装し、出荷できず廃棄されていた農産物を活用したクラフトビール造りに挑む。会津産のトマトをはじめ県産のモモやリンゴなどを使ったビールを製造し、県内外に売り込む予定だ。「農家の思いを詰め込んだビールを多くの人に味わって欲しい」。フードロス削減への願いとともに、県産農産物の魅力の発信を誓う。

 大友さんによると、実の割れや、熟し過ぎなどの理由で、トマトの約4割が市場に出回っていないという。就農したばかりの約7年前、農家が手塩にかけて育てたトマトが大量に捨てられている光景を見て胸を痛めた。「まだおいしく食べられるはずなのに」。行き場を失った農産物を何とか活用できないかと考えを巡らせ、クラフトビール造りにたどり着いた。

 2年前から横浜市や岩手県遠野市などで製造方法を学んできた。ビールの発酵段階で液体状のトマトなどを加え、新たな味わいのビールを生み出す。醸造は大正時代の蔵を改装し行う。来月にも工事に着手し、9月ごろの完成が目標。初年度は月約4500リットルを仕込み、350ミリリットル入りの缶1万本以上の出荷を目指す。将来的には約8000リットルの醸造を目指す。早ければ今秋ごろにも県内外の酒販店やインターネットで販売する。

 夏場は会津産のトマト、冬場は農家同士のネットワークを活用し、いわき市産や郡山市産を使う予定。通年で会津、中通り、浜通りの地域ごとに特色あるビールを造り、広く県産トマトの魅力を伝える。ビール造りに欠かせないホップの一部は、二本松市で営農事業などを手掛けるSunshine(サンシャイン)が生産する商品を使うなど、県産にこだわる。

 蔵に隣接する農業用倉庫は、ビールショップや、その場で味わえるビアバーの施設にする。バーでは会津本郷焼のビールグラスも使用する。新鮮な農産物を集めて販売するイベントを開催する。

 今回立ち上げるビールブランド名は「CheapChicBrewing(チープシックブリューイング)」。長く愛され続け、新たな出会いを生み出す場にしたいなどの思いを込めた。24日まで開業費用などをクラウドファンディングで募集している。

 大友さんは、醸造所を拠点に若者にものづくりの楽しさを伝え、農業の魅力に触れてもらいたいと願う。「トマトの酸味や甘味、ビールの苦味がうまく調和したビールになる。トマト農家が造る新しい形のビールを楽しんでほしい」と目を輝かせた。