幸福の黄色い列車(4月29日)

2022/04/29 09:05

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 県内の小学校で新学期が始まり、三週間が過ぎた。一年生は初めての生活に慣れてきただろうか。交通安全の黄色い帽子をかぶった姿を見かけると、車のハンドルさばきは一段と慎重になる▼黄色は「注意」だけではなく「明朗」や「希望」「幸福」の意味も持つ(芳原信著「色彩の教科書」)。JR水郡線で今、黄色い車両が走る。赤や青の側面の塗装を変えた。三十九両のうちの一両のみで、「イエローハッピートレイン」と名付けられ、三月末に登場した▼水郡線は二年半前の台風で鉄橋流失などの大きな被害を受けて一部運休し、昨年三月に全線で運転を再開した。黄色い車両には、再開一周年を記念するとともに、沿線住民への感謝の気持ちが込められている。全線開通九十周年を迎える二〇二四(令和六)年度末までの三年間限定で運行される▼郡山市から須賀川市、石川町、棚倉町などを経て水戸市までを結ぶローカル線だけに、列車の本数はそれほど多くはない。わずか一両の特別な車両に乗ることができたり、お目にかかれたりする機会はめったにないかもしれない。だが、幸せとの出合いを求めて、運試しの列車の旅をするのは悪くない。