
福島県新地町福田地区の福田諏訪神社の春の例大祭は3日、同神社で開かれた。約160年間伝わる県重要無形民俗文化財「福田十二神楽」の継承へ向けた学習に取り組む福田小の4年生15人が神楽舞を奉納し、昨年6月から積み重ねてきた練習成果を神社の神楽殿で初披露した。
神事の後、神楽殿で児童が十二神楽のうち「巫女(みこ)の舞」「毘沙門の舞」など4種類を披露した。氏子や児童の保護者、住民らは、真剣な表情で舞う子どもたちの姿に大きな拍手を送った。
福田十二神楽は十二種の神楽で成り立つ。江戸時代後期から受け継がれ、春(5月)と秋(11月)の例大祭で奉納されてきたが、少子化などの影響で継承に向けた活動が3年前から途絶していた。地元の歴代神楽師は新たな「福田十二神楽保存会」を立ち上げて学校などに協力を要請。学校側は「地域学習」として授業に組み入れ、現4年生が昨年度から神楽舞の習得に取り組んでいる。
保存会長の窪田松雄さんは「160年間の伝統を若い世代が受け継いでくれるのはうれしい。練習を重ねて上達していく姿を温かく見守ってほしい」と住民らに呼びかけた。