東日本大震災・原発事故

自転車で巡り震災被災地学ぶ 福島県いわき市でスタディーツアー本格化

2022/05/11 21:05

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自転車で巡りながら、町並みや震災当時の様子を話すガイドの小野さん(右から2人目)
自転車で巡りながら、町並みや震災当時の様子を話すガイドの小野さん(右から2人目)

 東日本大震災の被災地を自転車で巡りながら、震災の教訓や防災を学ぶスタディーツアーが福島県いわき市で本格化している。昨年、市内に誕生した自転車文化発信・交流拠点「ノレル?」が中心となり、本格的なサイクリングやゆっくり走る「散走」など自転車の多様な楽しみ方を提案しながら企画している。

 4月30日、ノレル?主催の「いわき語り部と巡る海のまちサイクリングツアー」が市内で繰り広げられ、県内外から約20人が参加した。震災の語り部として活動する小野陽洋さん(31)がガイド役を務め、新舞子ハイツを出発・ゴールとする16キロのコースを設定した。

 海岸沿いの「いわき七浜海道」を走った後、防災機能を備えた豊間公園などを見学しながら内陸部を巡った。現在、防災緑地になっている平豊間字塩場では小野さんが「震災前、ここに自宅があった。地区内で15人が津波の犠牲となった。地震が発生したら絶対、沿岸部から逃げてほしい」と訴えた。

 いわき市出身の清野満美子さん(19)=会津短大二年=は初めてツアーに参加した。「震災直後は東京に避難しており、地元について知らないことが多いと感じた。今後、復興を支えた人や活動も学びたい」と話した。

 小野さんは「震災の爪痕だけでなく、昔ながらの風景や震災後の町並みを感じるコースを考えた。走りながら町に流れる時間を感じてほしい」と願った。ノレル?のコーディネーター寺沢亜彩加さん(26)は「気軽に参加しやすい散走で地域の魅力を感じるきっかけになれば」と構想を描いている。