プラ分解する微生物発見 福島大学研究グループが世界初 リサイクル困難ペットボトルキャップ、焼却せず製品化も

2022/05/12 10:08

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 福島県の福島大学共生システム理工学類の杉森大助教授らの研究グループは、ペットボトルのキャップなどに使用されるプラスチック「ポリプロピレン」を効率的に分解する微生物を世界で初めて発見した。11日開かれた同大の定例記者会見で杉森教授が発表した。ポリプロピレンは再生利用が困難で焼却処分されるのが一般的だが、今回発見された微生物による分解処理が実用化されれば、二酸化炭素(CO2)排出の大幅な抑制や資源のリサイクルにつながると期待される。

 ポリプロピレンは強度があり、飲料を漏らさないペットボトルのキャップなどとして活用されているが、リサイクルが困難なため一般的に焼却処理されている。地球温暖化の主な原因となるCO2を排出するなど処理方法が課題となっている。

 杉森教授らが微生物による分解実験を繰り返す中で、研究グループに所属する食農学類2年の堀田詩織さん(19)が昨年、大学構内で採取した土からポリプロピレンを効果的に分解する微生物を発見した。微生物を混ぜた溶液に、ボトルキャップから切り取った一片を漬けたところ、最大で質量の64%が糸状に細かく分解された。

 杉森教授によると、微生物の酵素の働きで分解されているとみられるが、まだ詳細なメカニズムは分かっていない。今後、微生物がどのような酵素の特性を働かせて分解しているかなどの研究を進める。解析でき次第、微生物から遺伝子情報を取得し、ポリプロピレンを100%分解できる酵素を持つ微生物を培養。将来的に資源のリサイクルを目指す。

 ポリプロピレンはレジ袋などに使用されるポリエチレンに次いで廃棄量が多いプラスチック。杉森教授によると、ペットボトルキャップを焼却処理すると大量のCO2や、ダイオキシンなどの有害物質を発生させるという。

 ペットボトルの原料となるポリエチレンテレフタレート(PET)を分解する微生物は既に発見され、実用化されている。杉森教授らは将来的にポリプロピレンを分解・再資源化する技術を生かした福島大発のベンチャー企業の立ち上げを視野に入れる。杉森教授は「研究を進め、福島県の新たな産業として確立し、地球環境の維持に貢献していきたい」と語った。