

福島県三春町のカフェブリキイヌは福島医大病態制御薬理医学講座と連携し、生薬入りのグラノーラを商品化した。「幸せホルモン」と呼ばれるオキシトシンの分泌を促す成分を含んでいる。オキシトシンは心を安らかにするとともに、肥満の改善に効果があるとされ、関係者は「食を通して心も体も健康に」とPRしている。近く発売する。
カフェが以前から提供しているグラノーラを基に、ナツメやショウガなどを加えて作った。ナツメやショウガにはオキシトシン分泌に関わる成分が入っている。オキシトシンは不安の軽減や過度な食欲を抑制する効果が研究で明らかになっている。食物繊維やミネラル分も豊富で、おいしく食べられる。
カフェを営む浜田雅博さん(42)と講座の下村健寿教授(50)、前島裕子特任教授(43)が中心となって開発を進めた。浜田さんは薬剤師でもあり、カフェのほかに「みはる調剤薬局」を経営している。食育や適切なダイエットの啓発に力を入れており、下村教授と前島特任教授の健康づくりの研究と呼応し、今回の企画が実現した。
前島特任教授は「福島は肥満度が比較的高い。県民の健康づくりのお手伝いをしたい」と話す。下村教授は「研究の成果を社会に還元したかった。安心して食べられるので、食習慣に取り入れてほしい」と望む。
グラノーラの商品名や販売価格、パッケージのデザインなど詳細は今後決める。浜田さんは「地域の皆さんを健康にしたいと活動してきた。自信を持って勧められる商品になった」と話している。