19歳の男起訴、氏名公表 福島県塙町の強盗殺人事件

2022/05/19 09:26

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 福島県塙町真名畑の民家で2月、無職女性=当時(75)=が頭などを殴られ、殺害されたとされる事件で地検郡山支部は18日、強盗殺人と住居侵入、窃盗の罪で孫の矢祭町、建築板金業の男(19)を起訴し、氏名を公表した。4月1日施行の改正少年法が18、19歳を「特定少年」と規定し、起訴後の実名報道が可能となって以降、検察が実名を公表したのは県内で初めて。福島地検は「重大な事案であり、地域社会に与える影響も深刻」と判断し実名公表した。

 福島地検の保木本正樹次席検事は実名を公表した理由として、改正少年法の趣旨や事案の内容を挙げ、「諸般の事情を考慮して公表することにした」と説明した。金銭を得ようと祖母宅に夜間に侵入し、祖母を鉄パイプで10数回殴って殺害した上、奪ったキャッシュカードから300万円を引き出したとの行為を重くみたとみられる。

 最高検は氏名公表の検討対象を「犯罪が重大で、地域社会に与える影響も深刻な事案」とする基準を示し、裁判員裁判の対象事件を典型例に挙げている。

 強盗殺人罪は裁判員裁判の対象事件。被告は今後、地裁郡山支部での公判前整理手続きを経て、裁判員裁判で審理される見通し。

 起訴状などによると、被告は2月9日深夜から10日未明にかけて祖母宅に侵入。祖母に見つかったため、殺害して金を奪おうと決意。鉄パイプで頭を10数回殴り、キャッシュカード1枚と貯金通帳を奪い、出血性ショックで死亡させ、殺害したとされる。10日から16日にかけて女性の口座から18回にわたり、現金計300万円を引き出したとされる。

 被告の検察官送致(逆送)を決めた家裁郡山支部の池上弘裁判官は、安易に金を得ようと周囲に人家のない祖母方に侵入し、殺害した行為を「動機はあまりに短絡的で酌量の余地はない」と指摘。暴行の危険性や被害者親族の処罰感情の厳しさ、奪った金を散財した事件後の行動に触れ「被害者を顧みる様子もない」と刑事処分が相当と判断していた。

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 4月の改正少年法施行以降、特定少年が県内で起訴されたのは今回の事件で2例目。

 今月2日には、いわき市で乗用車を運転中に事故を起こし、同乗の男女5人を死傷させたとして、地検いわき支部が自動車運転処罰法違反(過失運転致死傷)の罪で同市、専門学校生の男(19)を起訴したが、氏名を公表しなかった。