
東京電力福島第一原発事故の影響でブランドが途絶えた飯舘牛の復活に向けた福島県の飯舘村産牛肉の販売会は21日、村内の「いいたて村の道の駅までい館」で催された。原発事故発生後、村産牛肉が村内で販売されるのは初めて。開店前から約40人が並び、用意した約120パックは30分で完売するなど、ブランド再興への期待の高さが表れた。
村などが進める飯舘牛復活応援プロジェクトの一環。来店者は、今回黒毛和牛を出荷した村内大倉の畜産農家佐藤一郎さん(61)から説明を受けながら、サーロインやリブロースなどA5ランクの肉を買い求めていた。
須賀川市の会社員浅川貴弘さん(48)は「復活への思いが詰まった肉を、ぜひ食べたかった。家族で味わいたい」と笑顔を見せた。
飯舘牛は1985(昭和60)年ごろ、ブランド化された。きめ細かい霜降りと柔らく甘みがある肉質が特徴で、全国的に高い評価を得ていた。原発事故の影響でブランドが途絶えたが、生産者らが肥育頭数の増加などを進め基幹産業の復活を目指している。