福島県2021年度教職員懲戒 前年度比3倍31件 パワハラ初処分

2022/05/23 09:50

  • Facebookで共有
  • Twitterで共有

 2021年度の福島県内教職員の懲戒処分件数は31件に上り、前年度の10件に比べて3倍に増えたことが県教委のまとめで分かった。2012年度の33件以来、9年ぶりに30件を超えた。初めてパワハラが処分され、児童生徒らへのセクハラも相次いだ。近年は交流サイト(SNS)を連絡手段として使う場合もあり、パワハラやセクハラが表面化しにくいなど状況が複雑化する。

 過去10年間の懲戒処分件数の推移と内訳は【グラフ】の通り。2017年度以降は10件台で推移していたが、2021年度は大きく増えた。セクハラ8件を含む「わいせつ行為等」が11件となり、前年度から7件増えた。「その他」に分類されるパワハラ2件が初めて確認された。「速度超過」が4件、「体罰等」と「飲酒運転」が各1件だった。

 今年度も既に3件の懲戒処分が発表された。4月は重傷交通事故を起こした市町村立中学校の女性教諭と県立高校の男性教諭各1人、5月はセクハラ発言を繰り返した市町村立学校の男性教頭がそれぞれ処分された。

 懲戒処分が増えた一因にはSNSの発達があるとみられる。過去には悩み相談などを通して個人的な関係になったことが原因とみられるわいせつ行為もあり、県教委はメールやSNSでの私的な連絡をしないよう注意を呼びかけ始めた。

 県教委は今年度、教職員向け冊子のハラスメントに関するページを増やした。例年は年度初めの会議で冊子を説明する程度だったが、今年度は8月の会議でも活用を促す方針で、教職員の当事者意識や危機意識を高めようと懸命だ。

 ただ、県教委は児童生徒の教育上、教職員との距離は近い方がいいケースもあるとみており、担当者は「児童生徒との関わりを一切禁止するわけにもいかない」と距離の取り方の難しさを指摘する。

 県内の高校に勤務する20代の女性教諭は「悩んでいる生徒の相談に乗るのも教員の役目」と強調。「私的な話になりそうな場合は直接聞くようにしている」と明かす。

 教職員によるわいせつ事案の刑事弁護などを扱う福島市の紺野明弘弁護士(紺野法律事務所)は「被害者はもちろん、全ての職員が気兼ねなく相談できる第三者的な相談窓口が必要ではないか」と提案する。